思考の種まき講座《9》演劇フォーラム「劇作家・岸田理生を語る――研究・上演・記憶」

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。6月の「思考の種まき講座」は、昨年『岸田理生の劇世界 アングラから国境を越える演劇へ』を上梓された岡田蕗子さん、アングラ演劇の気鋭の研究者・梅山いつきさんを講師に迎え、劇作家・岸田理生さんについて語っていただきます。

思考の種まき講座《9》演劇フォーラム
劇作家・岸田理生を語る――研究・上演・記憶

日時:2022年6月26日(日) 16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場2(地下3階)
参加費:一般=500円、AICT会員・学生=無料
連絡・申込み先:aictjapan@gmail.com
(予約優先。お名前・人数・連絡先をお知らせください)

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
協力:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

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毎年6月には劇作家・岸田理生の作品の連続上演が行われ、28日には「水妖忌」として偲ぶ会が開かれます。関西在住の私も以前この連続上演を通して岸田理生に出会い、岸田さんの作品研究をするきっかけになりました。いつか6月に研究会のようなものをしたいな、と思っていた折に、今回AICT事務局にお声がけいただいたので、「岸田さんについて語り合う場」を作らせていただきます。
講師のお1人を梅山いつきさんにお願いし、2人で進めさせていただきます。前半1時間では講師がそれぞれの視点から劇作家・岸田理生に関して語ります。まず岡田より岸田研究の現状の紹介と拙著の内容紹介を行い、その後、梅山さんより拙著の批評と、資料研究を今後の上演にどのように生かせるのか、という内容でお話いただきます。後半1時間では、客席にご来場の方々のお話をお聞きすることを重視しつつ、前半で出た内容、特に今後の上演にどう生かしていけるか、について深めていけたらと思っています。よろしければみなさまの岸田理生に関する大切な記憶を会場に持ち寄り、対話にご参加いただければ幸いです。(岡田蕗子)

【講師】岡田蕗子(おかだ・ふきこ)

演劇研究者。国際演劇評論家協会(AICT)関西支部会員、京都芸術大学講師、関西の劇団エイチエムピー・シアターカンパニー文芸部員。同劇団の創作を通して岸田理生に出会う。専門は日本の近現代演劇、特に岸田理生の作品研究。著書に『岸田理生の劇世界 アングラから国境を越える演劇へ』(大阪大学出版会、2021年)。

【講師】梅山いつき(うめやま・いつき)

演劇研究者。1981年、新潟県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。演劇博物館で現代演劇に関する企画展を手がけ、現在、近畿大学准教授。アングラ演劇をめぐる研究や、野外演劇集団にスポットを当てたフィールドワークを展開している。著書に『佐藤信と「運動」の演劇』(作品社、第26回AICT演劇評論賞受賞)、『アングラ演劇論』(作品社、第18回AICT演劇評論賞受賞)、『60年代演劇再考』(岡室美奈子との共編著、水声社)など。

思考の種まき講座《8》演劇フォーラム「綺想を紡ぐ―野木萌葱トーク」

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。2022年5月は、「パラドックス定数」を主宰し、数々の快作を放ってきた野木萌葱さんをゲストに迎え、演劇人生、演劇を通して世界の見方についてお話をうかがいます。

※ 5月8日追記
ご好評につき、会場が「けいこ場1」に変更となりました。
予約優先となりますので、事前の申込みをおすすめします。

思考の種まき講座《8》演劇フォーラム
綺想を紡ぐ――野木萌葱トーク(聞き手=西堂行人)

日時:2022年5月29日(日) 16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場2けいこ場1(地下3階)
参加費:一般=500円、AICT会員・学生=無料
連絡・申込み先:aictjapan@gmail.com
(予約優先。お名前・人数・連絡先をお知らせください)

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
協力:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

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野木萌葱の名前を頻繁に聞くようになったのは、いつ頃からだろうか。

2010年代に入って、70年代生まれの若い劇作家たちが数多く登場してきた。彼(女)らはいわゆる「3・11」を契機に、社会的な題材を扱う劇を展開してきたのだが、その一人が野木だった。

1998年、大学在学中に「パラドックス定数」というユニットを立ち上げた野木は、2007年の『東京裁判』を契機に、メンバーを固定した劇団に衣替えした。小劇場での地道な活動を継続する中、彼女の名前を一躍世に知らしめたのは、2016年、和田憲明演出による『三億円事件』だった。1968年に府中で起こった強奪事件を犯人の側から真相を描くという意表を突く発想に、多くの観客や批評家が驚かされた。演出家・和田との共同作業は翌17年も続いた。1986年のグリコ・森永事件を扱った『怪人21面相』で、野木の劇作家としての才能に誰しも目をみはったのだ。

さらに、野木の評価を決定づけたのは、2018/19年のシーズンだった。この年、シアター風姿花伝の若手支援プロデュース「プロミシングカンパニー」に彼女の主宰するパラドックス定数が選ばれ、隔月で旧作を再演した。学生の頃から書き、演出してきた野木の作品がレトロスぺクティブとして一挙に日の目を見たのである。野木が若い頃から実に精度の高い作品を発表してきたことが明らかになった。彼女の名を世に知らしめた『三億円事件』と『怪人21面相』も、初演は自劇団だった。(2002年、06年)改めて、演劇界が野木萌葱と「パラドックス定数」を「発見」した一年でもあった。

野木萌葱の作品には、人の常識をぐらつかせる「綺想」がつねに仕込まれている。例えば、昨年末に上演された『Vitalsigns(ヴァイタル・サインズ)』は、謎めいたストーリーで観客の関心を惹きつつ、不意にSF的な想像力で劇を一気に飛躍させる。観客は日常を取り巻く何気ないものの中に得体の知れなさを発見する。『トロンプ・ルイユ』には馬同士の奇妙な対話がある。人馬が一体となった作品なのだが、その嘘臭さの中にこういうこともありうるのではと信じさせる不思議な説得力があった。かと思えば、日本の戦争の内部をえぐる『731』や『東京裁判』など、歴史に素材をとった硬派の作品もある。

野木萌葱はどういう発想でこれほど意表を突く綺想を思いつくのだろうか。その人生と演劇との出会いなどを語ってもらいたい。

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【プロフィール】

野木萌葱(のぎ・もえぎ):1977年横浜生まれ。劇作家・演出家。パラドックス定数主宰。日大芸術学部・劇作コース第一期生卒業。2016~18年、読売演劇大賞優秀作品賞受賞、2021年同演出家賞受賞。青年座、新国立劇場、神奈川芸術劇場(KAAT)などに戯曲を書き下ろす。
(4月24日追記:野木さんのプロフィールを修正しました。)

2022年「世界演劇デー」国際演劇評論家協会会長メッセージ

3月27日の「世界演劇デー」に際して、国際演劇評論家協会会長ジェフリー・エリック・ジェンキンスが「試練の時に橋を架ける」と題したメッセージを公開しました。日本語訳を以下に掲載いたします。原文(英語)は、AICT/IATC本部のホームページをご参照ください。

試練の時に橋を架ける

2022年3月25日

ジェフリー・エリック・ジェンキンズ

ひと月前、国際演劇評論家協会(AICT-IATC)は、主権国家であるウクライナに対するロシア政府の侵害行為に対する非難声明を、ロシアの会員たちとともに発表した。IATCは演劇批評と研究に携わる者の集団で、国際的言論、そしてあらゆる芸術形態の中で最も人間的である演劇の称揚を通して、表現の自由という旗を掲げている。

IATCのロシア支部は、甚大な個人への危険をかえりみず、勇敢にもクライナに対する戦争行為を公的に非難した。侵攻終結を訴えた一人の著名なロシア人劇評家は、自宅玄関のドアに「Z」の文字を殴り書きされた。1938年の「水晶の夜」にナチスがユダヤ人におこなった行為を思いおこす者もいる。

「テアトル」誌編集長のマリナ・ダヴィドヴァ氏は、現在自宅を離れ、ヨーロッパのある場所で安全を確保している。先週、英ガーディアン紙に彼女が語ったところによれば、抗議を表明する者を「裏切り者」「外敵同調者」とみなすという声明をロシア政府が出すなど「一ヶ月前には予想さえしなかった」という。アンドリュー・ロス氏によるレポートにおいて、ダヴィドヴァ氏はこう語っている。「かつては、こんな言葉遣いは過激化に対してしか使われなかった。それが今は大統領の口から発せられている。酷い話だ!」

ここ数週間、私たちはあらゆるウクライナ人の頭上に降り注ぐ恐ろしい虐殺行為を目の当たりにしている。そして無辜の市民の不条理な死に、そして一般市民が安全を求めて市街を駆け抜ける中で子供達がうずくまっている映像に、心を痛めている。

ケルソン・シアターのアレクサンドル・クニガ芸術監督が3月23日にロシア軍によって拘束されたという報告が、ウクライナ演劇芸術家組合のボクダン・ストルティンスキイ氏からIATCに届いた。ロシア軍は、ウクライナ劇場の他の芸術監督たちの身柄をも探しているという。世界中の指導的演劇人や人道的活動家たちが大きな抗議の声を上げたことで、クニガ氏は一日も経たないうちに無事に釈放された。

ロシアを戦争犯罪に携わるならず者国家として非難する決議表明を、現在各国政府は用意しているところである。当然ながら、普遍的な共通の大義においてわれわれを結びつけていた絆を取り戻すためにわれわれにできることは限られてくるだろう。演劇を通して人間経験の本質をさらに理解しようとするという大義である。サンクト・ペテルブルグですばらしい演劇作品を再び見ることができる日はいつになるだろう。ウクライナの演劇関係者は爆撃、拉致、そして拷問を生きのびられるのだろうか。

当座しのぎのシェルターで、ディズニーの『アナと冬の女王』の「レット・イット・ゴー」を自国語で歌うウクライナ人少女の姿に感動しない者がいるだろうか。狭苦しくむさ苦しいシェルターで何十人もの避難民に連日囲まれている状況下でこの少女はおずおずと歌い出した。それを誰かがスマートフォンで録画したのだ。シェルターのあちこちで交わされていた人声は徐々に静まっていく中、彼女は変化、復興、そしてわれわれが直面しているあらゆる苦難の克服への可能性を歌ったのである。

そしてわれわれは自問する。彼女は今どこにいるのだろう。変化の時にたって、彼女に未来はあるのだろうか。

運良く、7歳のアメリア・アミソヴィッチさんはポーランドに避難できた。ポーランドのスタジアムのチャリティ・イベントで彼女はウクライナ国家を歌い、英雄の歓迎を受けた。ハッピーエンドだ。しかしハッピーエンドを迎えられない物語が、これからどれだけ起きるのだろう。

今日3月27日、世界演劇デーが世界中で祝われている。AICT-IATCの提携団体である国際演劇協会(ITI)は、例年この日に著名な演劇人や先駆的論者によるメッセージを出している。今年、その役を担った著名なオペラ・演劇演出家のピーター・セラーズは「経験の芸術形態」としての演劇に注目している。

彼は言う。われわれは多様なメディアからくる絶え間ない情報に晒されている。そのためわれわれは、常に「時間の刃先」に立たされている。「あまりに多くの人びとが刃先に立たされている。あまりに多くの馬鹿げた、あるいは予期せぬ暴力が燃え上がっている。そしてあまりに多くの既存システムが構造的に残酷を存続させていることがあらわになってきている」 もし「世界」がなければ、もしグローバル共同体が壊されてしまったら、「世界演劇デー」のなどそもそも必要だろうか。

今こそ世界中の自由を愛する人々、自由を愛する政府が、表現と芸術の自由が守られる安全な世界を実現を目指して立ち上がるべきだ。そしてピーター・セラーズの警告と、明快きわまる呼びかけに耳を傾けるべきだ。「この仕事は人々がバラバラに行えるものではない。この仕事はおこなうのは、一緒でなければならない」

この世界演劇デーにおいて、世界中の政府、世界中の人々が団結し、主権国家間の平和がもたらされる高みを目指そうではないか。われわれの人間性の本質を安全に探求できる場の実現を目指そうではないか。

ジェフリー・エリック・ジェンキンズ(国際演劇評論家協会会長、イリノイ大学演劇学教授、ディカバリー・パートナーズ・インスティテュート(シカゴ)教授会員)

思考の種まき講座《7》人形劇人的な、あまりに人形劇人的な

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。2022年4月は、講師にプーク人形劇場の山口遥子さん、ゲストにチェコ・プルゼニ州立アルファ人形劇場代表のヤクブ・ホラさんを迎え、人形劇の最前線について話していただきます。

(※3月23日追記)追加ゲストとして、ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ教授のクラウディア・オレンスティンさんにもご参加いただけることになりました!アメリカ人形劇界の最新情報を報告していただけるそうです。

「思考の種まき講座 第7回」@座・高円寺

テーマ:人形劇人的な、あまりに人形劇人的な
講師:山口遥子(プーク人形劇場)
ゲスト:ヤクブ・ホラ(チェコ・プルゼニ州立アルファ人形劇場代表)

日時:2022年4月10日(日)16:00~18:00
場所:座・高円寺 地下3階 稽古場②

概要:
「演劇人」と同じく、「人形劇人」という言葉もあります。私もその1人ですが、「演劇人」よりもたぶん更に少しもの悲しく、たぶん更にお金も名誉もない、しかし同じく気骨溢れるかっこいい人たちなのです。私がこれまで出会って衝撃を受けた国内外の個性溢れる人形劇人たち一人一人にフォーカスしつつ、現代人形劇の不思議な世界に皆さんをお誘いしたいと思います。20世紀の日欧人形劇交渉史という私の専門領域も少しお話ししたいですが、それよりも聞いて役に立つであろう、日本とヨーロッパでいま良い人形劇を見るためのプラクティカルな情報をできる限りお伝えします。後半には、現代チェコ人形劇界をしょって立つ一人である制作者ヤクブ・ホラさんをお迎えして、チェコ人形劇の最新状況を聞き出します。

出演者プロフィール:
山口遥子(やまぐちようこ)

プーク人形劇場で制作、ドラマトゥルク、グラントライターをしつつ、日本とドイツ語圏の20世紀人形劇史を研究。日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学非常勤講師。昨年人形劇の国際制作などを支援するNPO法人Deku Art Forumを立ち上げた。

ゲスト:ヤクブ・ホラ(Jakub Hora)

チェコ・プルゼニ州立アルファ人形劇場代表。プラハ芸大人形劇科卒業後、リベレツ市立ナイブニ人形劇場、国際アニメーションフェスティバルANIFEST監督などを経て現職。チェコUNIMA及びチェコASSITEJ委員。ユーリ・ノルシュテインの書籍出版、イジー・トルンカの展覧会なども手がける。

ゲスト:クラウディア・オレンスティン

ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ教授。20年近くにわたり米国とアジアの現代・伝統人形劇について執筆。近著に、Women and Puppetry、The Routledge Companion to Puppetry and Material Performance(共編著)など。マーティン・E・シーガル演劇センターがUNIMA-USAと共同で発行する人形劇・仮面劇・関連芸術のオンラインジャーナル「Puppetry International Research」編集長。

主催:AICT国際演劇評論家協会日本センター
協力:座・高円寺
後援:チェコセンター東京

参加費:AICT会員および学生は無料。一般の方は500円。

予約・問い合わせ先: aictjapan@gmail.com

Act31号をリリースしました

関西支部 発行のAct 31ウェブ版をリリースしましたので、ご覧ください。
https://aictact2020.wixsite.com/act31

今回は、以下の5本の公演評を掲載しています。

震災の中で新聞発行に命をかける記者たちの姿
関西芸術座『ブンヤ、走れ!』
​□ 瀬戸 宏

復活上演にみる現代の松竹新喜劇のありよう
松竹新喜劇 『お家はんと直どん』『お祭り提灯』
​□ 瀧尻浩士

その者らが獲得したもの
サイトウマコトの世界vol.9『ロミオとジュリエット』
​□ 上念省三

『泥人魚』
――停止と再生の薄もやの中から
Bunkamuraシアターコクーン『泥人魚』
​□ 新井 静

ポップでカラフルな世界が描き出す1950年代の闇
『Home,I’m Darling~愛しのマイホーム~』
『プロミセス、プロミセス』
​□ 松本俊樹

​●お問合せ
aict.act2020@gmail.com

ロシア軍によるウクライナ侵攻に際して

国際演劇評論家協会日本センターは、ロシア軍によるウクライナ侵攻に際して、会長と事務局長の名前で、AICT本部の会長及び事務局長、またロシアとウクライナセンターの代表に以下のようなメッセージを送信いたしました。(2022.2.26)

発信者,文面の一部を修正しました。(2022.3.4)

賛同団体を追加しました。(2022.3.8)

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Dear Friends and Colleagues within/without the Theatrical Community all over the World,

We  would like to express our strongest support for the message sent from the Russia Section to Ukraine Section regarding the current Russian military invasion of Ukraine.

First of all, we admire the courage and initiatives of our colleagues in Russia who raise their voices in the no doubt difficult circumstances, and add our own voices of compassion and sympathy towards our colleagues in Ukraine, praying for their safety.

As the history manifestly has shown, war does not produce anything but death and destruction and is totally against the humanity’s shared values, such as love of peace, respect for others, and compassion towards the vulnerable.

If we look at the history of institutionalized theatre for the past 2500 years, we can confidently say that theatre may not be as instantly powerful as politicians, economists or military personnel, but it is not at all powerless. As Sophocles’ protagonist Antigone exemplifies, theatre has taught us the most important lessons for the humanity to learn, that is to say, there is a rule to be followed universally, a rule dictated by heaven.

We appeal to the Russian soldiers to stop being a part of unprovoked military aggressions which do not produce any glory or victory, only resulting in an unending cycle of violence.

Finally, we would urge our friends and colleagues all over the world to unite and offer support for the suffering Ukrainians in whatever means possible, in order to end this horrific turn of events.

Sincerely yours,

AICT/IATC Japan Section

Association of Japanese Theatre Companies

Show Ryuzanji, Head of the Board of Directors, Japan Directors Association
Board of Directors of Japan Directors Association

Misaki Setoyama, President, Japan Playwrights Association
Some members of Japan Playwrights Association

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演劇を愛する世界の友人たちへ、

私たち日本の演劇人は、このたびのロシア軍によるウクライナ侵攻に際して、ロシアセンターからウクライナセンターへと送られたメッセージに満腔の賛意を表させていただきます。

まず第一に、困難な状況のなかで声を上げていただいたロシアの同僚の皆さまの勇気と率先した行動に敬意を表し、ウクライナの同僚の皆さまの現状に思いを寄せて、その安全を心より祈念申し上げます。

歴史が示すとおり、戦争は死と破壊以外の何ももたらしません。それは、平和を愛する心、他者への敬意、弱きものへの共感共苦といった、人間が共有する価値観とは全く相いれないものです。

過去2500年間の演劇の歴史を見れば明らかなように、演劇は政治家や経済人、軍人ほど即座に権力を行使することはありませんが、まったくもって無力であるとは言えません。ソフォクレスの主人公アンティゴネがそうであるように、演劇は私たち人間にとって最も重要な教えを授けてくれています。すなわち、人には普遍的に従うべき規則というものがあり、それは天が定めた規則だということです。

ロシアの軍人たちに訴えます、正当な理由のない軍事攻撃に加担することをやめてください。それは何の栄光も勝利ももたらさず、ただ暴力の連鎖をもたらすだけだからです。

最後に世界中の友人と同僚の皆さんとともに、この戦争で苦しんでいるウクライナの人びとをどんな形であれ支援し、この恐るべき出来事を終わらせるために団結いたしましょう。

敬具

2022年2月26日

国際演劇評論家協会[AICT]日本センター

公益社団法人日本劇団協議会(2022年3月3日)

日本演出者協会 理事長 流山児祥
日本演出者協会理事会(2022年3月7日)

一般社団法人日本劇作家協会 会長 瀬戸山美咲
日本劇作家協会有志(2022年3月7日)

AICT-IATCロシアセンターからウクライナセンターへのメッセージ

AICT-IATCの事務局長ミシェル・ヴァイス氏経由で各国センターに転送されてきましたAICT-IATCロシアセンターからウクライナセンターへのメッセージの日本語訳を、急ぎ日本センターの会員諸氏とも共有いたしたく、英語とフランス語の原文とともに、以下に掲載させていただきます。
2022年2月25日 国際演劇評論家協会日本センター事務局

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AICT-IATCウクライナセンター宛

AICT-IATCロシアセンターより

ロシア軍によるウクライナ侵攻について

同志へ

私たちは自国の政府によってウクライナの人々に行われている唾棄すべき軍事行動を非難し、この戦争への反対を明らかにするための署名をはじめ、あらゆる手段を用いて抗議を表明する所存です。
私たちは恥と無力感に苛まれていますが、皆さまの安全をお祈りしています。
そして私たちの願いは、演劇こそが常に人間らしさを支える空間であり続けること。

国際演劇評論家協会の使命の一つは、世界中どこでも表現の自由が促されること、文化の違いに橋を架けること、そして何時であろうと自由が束縛されるときには、それを守ることです。
私たち国際演劇評論家協会はロシア政府に対して、自国内における自由で平和的な手段に則った異議の表明を許し、他の独立国の境界を尊重することを要求します。
表現の自由こそ、いまや世界中の自由を愛する人々にとっての結束の絆です。
私たちはロシア政府に対し、現在の暴力を即座に停止し、侵略行動からの退却を強く求めます。

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TO: Ukraine National Section, International Association of Theatre Critics (AICT-IATC)

FROM: Russia National Section, International Association of Theatre Critics (AICT-IATC)

RE: Russian Military Invasion of Ukraine

“Dear colleagues and friends!

We are horrified and condemn the military aggression that is launched against Ukrainian people by this government. We express our protest by all available means – manifesting and signing petitions against the war. We feel shame and helplessness. Be safe! Let theatre always stay a space for humanity.”

One of the primary missions of the International Association of Theatre Critics is to promote global free expression, the building of bridges between cultures, and the advocacy of freedom whenever it is constrained. The IATC calls upon the Russian government to allow the free and peaceful expression of dissent within its border and to respect the borders of independent nations.

Free expression is now a rallying point for freedom-loving people throughout the globe. We strongly urge the Russian government to cease and desist from its current path of oppression.

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À : La Section nationale ukrainienne de l’Association internationale des critiques de théâtre (AICT)

DE : La Section nationale russe de l’Association internationale des critiques de théâtre (AICT)

OBJET : Invasion militaire russe de l’Ukraine

Le président et le secrétariat général de l’Association internationale des critiques de théâtre (AICT) ont reçu aujourd’hui un message de nos collègues de la section russe de l’AICT, destiné à nos collègues de la section ukrainienne. Nous diffusons ce message par tous les canaux disponibles.

« Chers collègues et amis !

Nous sommes horrifiés et condamnons l’agression militaire lancée contre le peuple ukrainien par ce gouvernement. Nous exprimons notre protestation par tous les moyens disponibles – en manifestant et en signant des pétitions contre la guerre. Nous ressentons de la honte et de l’impuissance. Prenez garde ! Que le théâtre demeure toujours un espace pour l’humanité. »

L’une des principales missions de l’Association internationale des critiques de théâtre consiste à promouvoir la liberté d’expression dans le monde, la construction de ponts entre les cultures et la défense de la liberté chaque fois qu’elle est contrainte. L’AICT appelle le gouvernement russe à permettre l’expression libre et pacifique de la dissidence à l’intérieur de ses frontières et à respecter les frontières des nations indépendantes. La liberté d’expression est désormais un point de ralliement pour les personnes éprises de liberté à travers le monde. Nous demandons instamment au gouvernement russe de cesser et d’abandonner sa trajectoire actuelle vers l’oppression.

思考の種まき講座《6》演劇的思考とは何か――ドイツ演劇を例に

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。2022年3月は、ドイツ演劇がご専門の平田栄一朗さんにおはなしをうかがいます。

「思考の種まき講座第6回」
演劇的思考とは何か――ドイツ演劇を例に

日時:2022年3月21日(月・祝)16:00~18:00

場所:座・高円寺地下3階けいこ場2

講師:平田栄一朗(ドイツ演劇)

対談相手:桂真菜(演劇評論家)

内容:
ドイツ演劇界と演劇研究の最前線では、演劇の思考をめぐる議論が行われています。それは演劇(戯曲)を見て(読んで)考えることは何であるのかという問いから出発しますが、同時にそれは私たちの思考そのものを根本から考え直すことでもあります。観客としての私たちは舞台上で起きている問題を見て考えますが、その思考そのものを振り返ることもできます。例えば私たちは問題を考えているようで、実際は既存の考え方をそれに当てはめているだけであり、本当は(あまり)考えていないのではないか、あるいは、舞台上の問題は既存の考え方だけでは捉え切れないのに、既存の考え方をなぞって考えているだけはないかなどと考え直すことができます。
このように劇を見て考えることを考え直すことで、私たちは自分の思考を――自分が考える以上に――広げたり柔軟にしたりすることができます。そしてこのような演劇の思考実験こそ、世間でしばしば言われる「既存の考え方が通用しなくなる不透明な時代だからこそ斬新な発想が必要だ」という社会的要請に対して真摯に応えるものであります。というのも、そのような考え方の根本的な意味があまり考慮されずに語られがちな昨今、何かを見て考えることの意義とその問題をラディカルに考え直すことは貴重な思考実験の機会であり、それゆえに舞台芸術は世間で考えられている以上に社会的な意義があると考えられます。
この講座ではこのような演劇的思考実験の試行錯誤について、18世紀から20世紀に至る近代演劇の問い直しの作業を具体例にして語ります。

参加費:国際演劇評論家協会日本センター会員と学生は無料。それ以外の方は500円。

問い合わせ先:aictjapan@gmail.com

思考の種まき講座《5》シェイクスピアとポピュラーカルチャー

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として対面による演劇講座を開催しております。第5回目となる2022年2月は、吉原ゆかりさんをお招きして、シェイクスピアとマンガ表現についてのお話をお聞きします。

場所:座・高円寺けいこ場②(地下3階)
日時:2022年2月20日(日)16時~18時
参加費:AICT会員と学生は無料、一般の方は500円。
連絡・申込み先:aictjapan@gmail.com

[吉原さんより]
シェイクスピアのよいところは、ユーザーたちが自分たちのいいように(というのは、自分の問題意識を反映させて、ということだが)いじれるところ。映画、漫画、アニメ、ドラマ、CM、コスプレ、舞台の、すでにこれはシェイクスピアではないのではないかと思えるほどに、大胆に使いまわされたシェイクスピアの諸例を見る(例:いのうえひでのり『メタルマクベス』=『マクベス』+『リチャード三世』+手塚治虫『バンパイヤ』+大友克洋『アキラ』など)。

講師:吉原ゆかり

筑波大学教員。論文に、「これ、シェイクスピア、マジで?」(『異文化理解とパフォーマンス』春風社)、「どっちだってグローカル-漫画/mangaとシェイクスピア」(『女性マンガ研究』青弓社)など。

ゲスト:真崎春望(さなざき はるも)

漫画家として40年。歴史、ファンタジーを中心に映画、オペラ、小説のコミカライズなど400タイトル以上手掛けた。(シェークスピアはマクベス、ロミオとジュリエットと真夏の夜の夢を漫画化している)。

聞き手:松山響子

駒沢女子大学教員。論文に「エドマンド・キーンの『ベニスの商人』『リチャード三世』―1814 年以降のキーン批評と観客から の受容―」、「シェイクスピアの『十二夜』を現代風に読む—読みやすい入門編?ラノベ型『十二夜』—」など。

舞台評論家たちによるユネスコ傘下の国際組織の日本支部です。