AICTタリア賞、日本人で初めて鈴木忠志氏に決まる(プレスリリース)

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

私どもが加盟する国際演劇評論家協会(AICT、本部・パリ)は、6月にフランス・モンペリエで開いた本部理事会で、演出家であり劇団SCOTを主宰する鈴木忠志(すずき ただし)氏にタリア賞(Thalia Prize)への授与を決めました。日本人としてタリア賞の受賞は初めてのこととなります。授賞式は2020年5月にスロバキアのブラチスラヴァで開かれるニュードラマフェスティバルとの共同で開催され、トロフィーとして演劇の女神を象った銀の握りのついた杖が贈呈されます。

タリア賞は、舞台芸術の芸術家ないしは著作家で、その作品、実践、あるいは著作において演劇評論家の仕事に対して発見と新しい視点を与えた者を顕彰するために2006年に創設されました。第1回の受賞者には、近現代の劇作家を取り上げて時代の文化、演劇的伝統との関連において論じた『思索する劇作家』 (坂本和男ら訳、南雲堂)などの著書があるイギリス人演出、劇評家のエリック・ベントリー氏が選ばれました。他に、ジャン=ピエール・サラザック(フランス)、リチャード・シェクナー(アメリカ)、カピラ・ヴァツヤヤン(インド)、ユージェニオ・バルバ(デンマーク)、フェミ・オソフィサン(ナイジェリア)、そして『ポストドラマ演劇』(谷川道子ら訳、同学社)などの著書があるハンス=ティース・レーマン(ドイツ)の各氏が過去に受賞しています。

鈴木氏の授賞の理由は、以下の3点において現代世界演劇に多大な功績を果たしたと理事会が評価したからです。

1. 俳優のために言葉と深く結びついた身体感覚の鋭敏さを持続的に養う独自な訓練方法であるスズキ・メソッドを考案・紹介し、世界中の長期にわたるワークショップを通じて、それを俳優達に広めた。

2. 理論家として彼の著書、『Culture is the Body』、『THE WAY OF ACTING』を高く評価する。

3. 世界中の舞台芸術において常に前衛的な芸術家や個性を取り入れてきたシアター・オリンピックスを、前衛芸術家や舞台芸術の重鎮達との協力によって創設した。

鈴木氏は1939年に静岡県清水市で生まれました。1966年、別役実氏らとともに早稲田小劇場(現SCOT)を創立。1976年富山県利賀村に本拠地を移し、1982年から国際演劇祭「利賀フェスティバル」を毎年主催。世界各地での上演活動や共同作業など国際的に活躍するとともに、独自な俳優訓練法スズキ・メソッドは世界各国で学ばれています。岩波ホール芸術監督、水戸芸術館芸術総監督、静岡県舞台芸術センター芸術総監督、舞台芸術財団演劇人会議理事長に就任。1994年シアター・オリンピックス国際委員会を結成し、同国際委員になりました。

主な演出作品に、「劇的なるものをめぐって」、「トロイアの女」、「ディオニュソス」、「リア王」、「シラノ・ド・ベルジュラック」、「オイディプス王」、「エレクトラ」、音楽劇「カチカチ山」、「ザ・チェーホフ」、「別冊谷崎潤一郎」、「サド侯爵夫人」などがあります。 また主な著書に『内角の和I・II』、『劇的なるものをめぐって』、『劇的言語』、『騙りの地平』『越境する力』、『THE WAY OF ACTING』、『Culture is the Body』、『演劇とは何か』、『演出家の発想』があります。
国際演劇評論家協会はUNESCO(ユネスコ)の下部組織で、フランス・パリに本部を置く国際的な舞台芸術の評論家のための協会です。舞台芸術―般についての国際会議や交流を奨励し、異文化間の相互理解を深めることに重点を置いて活動しています。同協会日本センターは1981年に第一回総会が開催されました。現在、全国約100名の演劇評論家が所属する、日本で唯一の演劇評論家の全国組織です。舞台芸術評論の育成と発展に寄与する講座などを開催、機関誌「シアターアーツ」を発行するとともに、2年に1度のAICT本部主催の世界大会に会員2名を派遣し、我が国の演劇批評周辺の諸問題を報告・討論し、評論家間の国際交流を進めています。

なお、このプレスリリースの解禁は、新聞は12月9日午後5時以降、ウェブ媒体は10日午前5時以降にお願いします。
以上

2019年12月9日
国際演劇評論家協会(AICT)日本センター会長
山本健一

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