思考の種まき講座29

≪思考の種まき講座29≫
「能とエコロジー」
講師=小田幸子・横山太郎
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【日時】2024年3月24日(日)17:00~19:00
【会場】座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com (予約優先)
【予約フォーム】https://forms.gle/gD1vTAfANriM1YY79
*メールでのご予約は、件名「思考の種まき講座29」とご記入の上、
お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記ください。
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。
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主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
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【小田幸子さんプロフィール】
能・狂言研究家。博士(文学)。第39回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。専門は能・狂言の作品研究と演出(史)研究。新作や復曲のドラマトゥルク、講演、解説、批評など研究と舞台をつなぐ活動も行っている。AICT会員・シアターアーツ編集員。

【横山太郎さんプロフィール】
立教大学映像身体学科教授。博士(学術)。専門は能楽研究。身体表現史、近現代における思想的受容、資料のアーカイブ研究、物語論と詩学による作品分析、技芸伝承のフィールドワーク研究など、能を中心に学際的研究を行う。AICT会員。

【講座概要】
AICTでは昨年度以来、〈思考の種まき講座〉と国際シンポジウムを通じて「演劇とエコロジー」を会員の皆さんと考えてまいりました。今回の〈思考の種まき講座〉は、その関心を日本の伝統演劇である能に向けた企画です。中世日本の思想と文化を背景に成立した能は、本質的なところで「自然」「身体」「情動」「非人間」といったエコロジーに連なる主題系を内包したジャンルと言えます。今回は小田幸子と横山太郎の2名の研究者が、能楽作品と世阿弥能楽論のそれぞれについて、こうした観点から話題提供をおこないます。その後、そこから今日の「演劇とエコロジー」に関してどのような示唆を得ることができるのか、会場の皆さんと語り合いたいと思います。

第28回シアターアーツ賞

第28回シアターアーツ賞の選考会が行われ、以下の通り、今年度の受賞作が決定しましたのでご報告申し上げます。

大賞
該当作なし

佳作
山口真由「『Soul Hunter』- 踊る身体のミメーシス」
後長咲妃「偏差としての現在 - 範宙遊泳『バナナの花は食べられる』」

第28回シアターアーツ賞結果発表

受賞作と選評は『シアターアーツ』第68号に掲載予定です。

思考の種まき講座28

国際演劇評論家協会(AICT/IACT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。2月の講座は、1月に引き続き〈創客〉シリーズです。今度はある意味で一番演劇の外側の「支援者」の立場からお話をいただきます。講師は、日本芸術文化振興会基金部 プログラムオフィサーである佐野晶子さん。より広い視野から〈創客〉についてお話をいただきます。


《思考の種まき講座28》
シリーズ講座〈観客を創る〉【第3回】
支援者の立場から『創客』を考える

講師:佐野晶子さん
独立行政法人日本芸術文化振興会基金部 プログラムオフィサー(文化施設分野)



日時:2024年2月11日(日)16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
予約・問合せ:aictjapan@gmail.com (予約優先)
予約フォーム:https://forms.gle/SPubK4TdNn8AEYwn9
*メールでのご予約は、件名「思考の種まき講座28」とご記入の上、
お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記ください。
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺


講座概要

コロナ禍のステイホームで文化芸術の価値が再確認された一方、手軽に楽しめる映像コンテンツの視聴が日常になった今、高価なチケットを購入しリアルに劇場に足を運ぶこと、2時間客席に座り続け他者と空間を共有することへの人々のモチベーションを、どうしたら維持あるいは喚起できるのでしょうか。舞台芸術が直面する切実な課題であると同時に、批評の役割もあらためて検証される時だと思います。アーツカウンシル東京や日本芸術文化振興会基金部といった支援機関に従事してきた経験から、まずは昨今の助成制度の概要や方向性、申請時の留意点や対象事業の好事例といった情報提供をした上で、劇団や劇場の客席や集客について、また作品と観客の関係について考察したいと思います。さらには首都圏だけでなく地方都市の状況についても、さまざまな地域で文化振興に携わってきた体験を交えてお話しします。ご参加の皆様と共に、劇場や演劇の今後を展望できれば幸いです。


佐野晶子さん

大学卒業後、国際協力機関勤務を経て、1998~99年フィリピン教育演劇協会(PETA)にて途上国の社会課題に取り組む演劇活動をリサーチ(大阪アジアスカラシップ)。帰国後は世田谷パブリックシアター制作部をはじめとする公立劇場や自治体文化財団にて、公演やワークショップ等の企画制作や施設管理に従事。2012~18年、アーツカウンシル東京準備機構(公益財団法人東京都歴史文化財団)発足時より、初代プログラムオフィサーとして演劇分野や障害のある人々の芸術活動への助成制度を立ち上げ。その後、長野県や京都市での文化振興を経て2023年6月より現職。現在、文化庁補助金による「劇場・音楽堂等機能強化推進事業」等を担当。

思考の種まき講座27

国際演劇評論家協会(AICT/IACT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。1月の講座は「集客」ではなく「創客」について考える、シリーズ 講座〈観客を創る〉です。第2回は演劇が起こる場である“劇場”の視点から考えていきます。


《思考の種まき講座27》
シリーズ講座〈観客を創る〉【第2回】
創客を劇場の境界線から考える――市民参加と専門性

講師=永井聡子さん



【日時】2024年1月28日(日)17:00~19:00
【会場】座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com (予約優先)
【申し込みフォーム】https://forms.gle/qRCga8AfMGaW2Pb88
*メールでのご予約は、件名「思考の種まき講座27」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記ください。
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。


概要
“観客が仕上げる” 舞台作品には質を担保するための専門的な視点が欠かせない。一方で、市民の関わり方も劇場の質を決める。公立文化施設に専門家が常駐しているとは言いがたい現状があるが、伝統と革新、異ジャンルの融合、時を重ねた各年代の専門家が集うことで、観客や関わる市民の各世代に引き継がれるメカニズムを構築する必要がある。そのベースとなる創客を劇場の境界線から考える。


永井聡子さん
静岡文化芸術大学文化政策学部芸術文化学科教授(演劇・劇場・舞台芸術研究)
単著『劇場の近代化―帝国劇場・築地小劇場・東京宝塚劇場』思文閣出版(2014)、共著「A History of Japanese Theatre」Cambridge University Press(2016)など。
1999年より新ホールにて準備室から10年チーフプロデューサーを勤め、演劇や舞踊の企画と並行して100名のボランティア市民とともに劇場運営を行う。大学専任教員に着任後は、新ホールの演劇アドバイザーも兼任。企画プロデューサー作品: 2023年7月大学にて、小泉八雲原作「雪女」より「YUKI」(振付・演出 花柳源九郎、出演・大前光市)をはじめ、W.シェイクスピア原作「ロミオとジュリエット」より「Juliet」出演 別所哲也・平山素子、台本・演出・木村繁による三島由紀夫原作「天人五衰」出演 白石加代子・大前光市・中井智弥、「神舞KANMAI を踊る」ダンス 平山素子・工藤聡、泉鏡花作品より「水の宿」、文楽人形創作オペレッタ2005・オペレッタ2022「江尻の宿 旅路の正夢」など(知立市文化会館、静岡市清水文化会館マリナート、銀座博品館劇場、静岡文化芸術大学)。独立行政法人日本芸術文化振興基金演劇分野・文化施設分野専門審査委員、指定管理者選定委員、日本建築学会文化施設委員会委員など。

思考の種まき講座26

国際演劇評論家協会(AICT/IACT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。12月の講座は、山口瑤子さんと「人形劇あるいはオブジェクトシアター:物と人の新しい関係」と題して、演劇と「モノ」について考えます。

今年一年を振り返ってみると、異常気象…、軍事侵攻…、いよいよ私たちの社会もこのままではいかないという感覚を誰しも覚えたのではないでしょうか。そこでこの世界を見直すために「モノ」との関係に注目したいと思います。小さな「モノ」との関係を見つめ直した時、私たちは人間の無自覚な傲慢さに気づくことができるのかもしれません。


思考の種まき講座26
人形劇あるいはオブジェクトシアター:物と人の新しい関係



講師:山口遥子さん
日時:2023年12月10日(日)17~19時
会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
予約・問合せ:aictjapan@gmail.com (予約優先)
予約フォーム:https://forms.gle/wmkerwse9jMYKaPP6


人形劇は時代の映し鏡として、物と人の関係性をその都度可視化する。人形は19世紀末まで単に人間の小さく劣った模倣として見られてきたが、1980年ごろから人形劇の舞台では「物」特有の存在感やふるまいに独自の価値を見出す作品や、人・物が支配・被支配ではなく対等な相互的関係を結んでいる作品、いわば脱人間中心主義的な作品が目立つようになってきた。「物」に内在する生動性に注目する近年のニューマテリアリズムの議論は人形劇界でも盛んに参照されている。近年の作品から実例を示しながら、人形劇・オブジェクトシアターが提示する物と人の新たな関係性について考えたい。


山口遥子さん
独立行政法人日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学および成城大学非常勤講師。人形劇分野の国際的活動を支援するNPO法人Deku Art Forum理事長。「下北沢国際人形劇祭」の企画統括。https://www.sipf.jp/

思考の種まき講座《25》

国際演劇評論家協会(AICT/IATC)日本センターは、「思考の種まき講座」と称して、座・高円寺にて演劇講座を開催しております。11月は越智博美さんとシェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』について考えます。


思考の種まき講座25
《演劇からジェンダーを考える》
「女」を「演じる」こと――「じゃじゃ馬」って馴らさないといけないの?



講師:越智博美さん
日時:2023年11月19日(日)16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(会員・学生=無料)※当日清算
予約フォーム:https://forms.gle/E4Waf9CPnNd1YNaE9
予約・問合せ:aictjapan@gmail.com (予約優先)
※メールでのご予約の際には、件名に「種まき講座25」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記ください。

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

※内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。


この数十年、わたしたちの「男らしさ」「女らしさ」は、すこしずつ変容しています。ジェンダーをめぐる学問が教えてくれるのは、そうした「らしさ」がいかに文化的、社会的に構築されているということです。
ただし、それらは頑固な根深いものでもあって、簡単には変わりません。けれども、「らしさ」が構築されたものであるからこそ、すこしずつであれ変容もする。舞台という場は、「らしさ」に溢れた、あるいは「らしさ」を意識化する場であるゆえに、そうした変容を提案することも可能かもしれません。ひとつの正解など出ようもない話ですが、フェミニストにははなはだ不評なシェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』などをとりあげつつ、「らしさ」について考えてみたいと思います。


越智博美さん
専修大学国際コミュニケーション学部教授。お茶の水女子大学博士号(人文科学)取得。専門はアメリカ文学、文化。著書に『カポーティ――人と文学』(勉誠出版)、『モダニズムの南部的瞬間――アメリカ南部詩人と冷戦』(研究社)、『ジェンダーから世界を読むII』(中野知律との共編著、明石書店)、『ジェンダーにおける「承認」と「再分配」――格差、文化、イスラーム』(河野真太郎との共編著、彩流社)。訳書にコーネル・ウェスト『民主主義の問題』(三浦玲一、松井優子との共訳、法政大学出版会)など。

思考の種まき講座《24》

国際演劇評論家協会日本センターは、座・高円寺にて演劇にかかわる講座を開催しています。10月は、社会学者の吉見俊哉さんをお迎えして、演劇と「死者」について考えます。


《思考の種まき講座24》
いたるところに死者がいる:演劇にとって記憶とは何か



講師
吉見俊哉(社会学者)

2023年10月8日(日)16:00~18:00
会場 座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費 一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
予約・問合せ aictjapan@gmail.com (予約優先)
予約フォーム https://forms.gle/Rj9qZmzacNohtzwJA


概要
演劇とは、死者との対話の技法 なのだと私は思う。アルトーが 『演劇とその分身』 で語ったのは、現代に死者たちを蘇らせる方法としての演劇についてだった。それは、残酷であると同時に悦楽的であるはずだ。シェイクスピアでも、能や歌舞伎でも、数多の死者たちが亡霊として登場する。たが、21世紀の東京にも、日本列島にも、さらに数多の亡霊たちが彷徨っている。私たちは実は、日々そうした亡霊たちに出会っているのだが、気づいていないだけなのだ。現代のデジタル・テクノロジーは、そうした死者たちとの交通路を、つまりは集合的記憶を現前化するための孔を、爆発的に増殖させつつある。当日は、そうした技術的前提のなかで2020年に私がささやかながら試みた、没後20年の演出家如月小春をこの世に蘇らせる実験や、コロナ禍を契機に広がっているEPAD(Eternal Performing Arts Archives and Digital Theatre) 事業について紹介しつつ、それらの意義について論じていきたい。

思考の種まき講座23

国際演劇評論家協会(AICT/IACT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。
8月は、9月12日(火)に東京経済大学で開催予定の国際シンポジウム「演劇とエコロジー」のプレ企画を兼ねて、第一部に登壇予定の環境アクティビスト黒部睦さんをお迎えします。国際シンポジウムの企画者である三井武人さん、寺尾恵仁さんが聞き手、司会をつとめます。


《演劇とエコロジー》
環境アクティビズムと演劇/パフォーマンス
~参加のあり方をめぐって~

パネリスト
黒部睦(環境アクティビスト、Climate Clock プロジェクト代表)
三井武人(演劇研究者・評論家、近畿大学非常勤講師)
司会
寺尾恵仁(演劇研究、アスブ企画所属俳優・ドラマトゥルク、北星学園大学専任講師)


日時:2023年8月20日(日)16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(会員・学生=無料)*当日清算
予約フォーム:https://onl.bz/nWaNtfW(予約優先)
問合せ:aictjapan@gmail.com
主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺


2023年6月9日(金)、環境アクティビストのグレタ・トゥーンベリさんは、卒業をして学生の身分ではなくなったことを理由に、毎週金曜日にスウェーデンの国会前で続けてきた「スクール・ストライキ」に一区切りつけることを自身のSNSで発表しました。2018年8月にひとりで始めたこの活動が「 Fridays For Future 」の名前で瞬く間に世界に広がり、若者を中心とした多くの人が環境問題の解決のために声をあげるきっかけとなったことにとても驚いたとも語っています。
また、自らが編集に携わった近著『気候変動と環境危機』の中で、「Fridays For Future」は抗議活動ではなく環境危機を広めることによって人々を啓蒙するための行動であるとも述べています。
少し強引ですが、これを皆さんに馴染みのある「演劇(パフォーミング・アーツ)」に結びつけるなら、「Fridays For Future」は人々の関心を環境問題に惹きつけるために生まれた「パフォーマンス(創造的行為)」であり、彼女は「Think Grobally, Act Locally(地球規模で考え、足元から行動しよう)」を実践し、多くの共感を呼んだ有能な「パフォーマー(実践者)」と言えるのではないでしょうか?
加えて、彼女の考えに共感し共に行動を起こす多くの人たちがいることを考えるなら「Fridays For Future」は、トゥーンベリさんを起点として世界中に広がった「参加型パフォーマンス」とも言えるかもしれません。
このような「演劇(芸術的行為)」と「アクティビズム(政治的行為)」の密接な関係性を、環境アクティビストで「Fridays For Future Tokyo」のオーガナイザーを務める黒部睦さんを交えて皆さんと一緒に考え、議論していきたいと思います。


黒部睦さん
国立音楽大学声楽専修4年。2001年生まれ、東京都出身。高校生時代にSDGsの啓蒙を始め、スウェーデンでの研修をきっかけに気候変動の危機に気づく。現在は「Fridays For Future Tokyo」オーガナイザーや「Climate Clock Japan」の代表として気候変動対策に取り組む。東京MX「堀潤モーニングFLAG」コメンテーター、TBSラジオ「アシタノカレッジ」buddyとして出演中。

三井武人さん
英国ローハンプトン大学卒業。筑波大学大学院修了。専門は、イギリス演劇、イマーシブ・シアター、観客論、演劇批評等。今年9月に行われるAICT/IATC国際シンポジウム「演劇とエコロジー」の共同オーガナイザーを務めている。

寺尾恵仁さん
日独現代演劇の俳優論を専門とする。今年9月に行われるAICT/IATC国際シンポジウム「演劇とエコロジー」では、共同オーガナイザーとして、第一部の司会を務める予定。

シアター・クリティック・ナウ2023(思考の種まき講座22)

第28回AICT賞受賞を記念して、受賞者お二人を中心に、シンポジウムを開催いたします。一見まったく異なる、18世紀イタリアのゴルドーニと、明治期の歌舞伎写真というテーマを、「新しいメディアと演劇の関係」という新たな切り口で論じていきたいと思います。


思考の種まき講座22
シアター・クリティック・ナウ2023
「新しいメディアと演劇」



パネリスト
大崎さやの(イタリア演劇・文学研究)
村島彩加(近代日本演劇研究)
井上 優(演劇理論、西洋演劇史研究)
山下純照(演劇美学者)


日時:2023年7月30日(日)17~19時
※16時30分より第28回AICT演劇評論賞および第27回シアターアーツ賞の授賞式を行います。
会場:座・高円寺けいこ場(地下3階)
参加費:一般500円(会員・学生は無料)※当日清算
予約フォーム:https://forms.gle/7LEkgQMER432KZMa7 予約優先
問合せ:aictjapan@gmail.com
主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
http://aict-iatc.jp/
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺


概要
大崎さやの著『啓蒙期イタリアの演劇改革―ゴルドーニの場合』は、イタリアの劇作家ゴルドーニの作品の劇評を通して、彼の演劇改革の実態を浮き彫りにする著作である。ゴルドーニが活躍した18世紀、西洋では新聞・雑誌といったジャーナリズムが勃興し、批評文化が花開いていった。
一方、村島彩加著『舞台の面影―演劇写真と役者、写真師』は、明治時代に新たに登場した写真というメディアと歌舞伎の関係を、團十郎や菊五郎といった歌舞伎役者や、彼らを撮影した写真師を中心に、出版や絵画、アーカイブ等の周辺文化と共に多面的に描き出すものである。
両著作はイタリア演劇と歌舞伎と形式は異なるものの、一方はジャーナリズム、一方は写真と、どちらも当時新たに登場したメディアを通して演劇を扱っている。シンポジウムでは、この新しいメディアと演劇の関係を、参加者のみなさんと共に考えてみたい。
また、両者に共通する関心として、観相学の演技への影響や演技の「型」についてなど、演技に関するいくつかのトピックが挙げられる。共通する問題点、関心を持つ二人が互いの著作を通して語り合うことで、各著書単独では見えてこないものを浮彫にし、参加者のみなさんの新たな発見・関心につながれば幸いである。


大崎さやのさん
イタリア演劇・文学研究。博士(文学、東京大学)。現在、東京藝術大学等にて非常勤講師。著訳書に『啓蒙思想の百科事典』(共編著、丸善出版)、『啓蒙期イタリアの演劇改革―ゴルドーニの場合』(第28回AICT演劇評論賞・第55回河竹賞奨励賞受賞、東京藝術大学出版会)、『演劇と音楽』(共著、森話社)、『ベスト・プレイズⅡ―西洋古典戯曲13選』(共訳著、論創社)、『西洋演劇論アンソロジー』(共訳著、月曜社)、『イタリアのオペラと歌曲を知る12章』(共著、東京堂出版)、『オペラ学の地平』(共著、彩流社)、『アルフィエーリ 自伝』(共訳、人文書院)、他。

村島彩加さん
研究分野は近代日本演劇(特に歌舞伎の近代化、演劇写真、宝塚歌劇)。博士(文学、明治大学)。近著に『舞台の面影−演劇写真と役者、写真師』(森話社。第44回サントリー学芸賞、第28回AICT演劇評論賞)、共著に『演劇とメディアの20世紀』、『演劇と音楽』、『興行とパトロン』(以上、森話社)ほか。論考に「ミュージカル『PUCK』をめぐって 小池修一郎試論(2)」(『パラゴーネ』第7号 青山学院大学比較芸術学会)など。

井上 優さん
明治大学文学部教授。演劇理論、西洋演劇史研究。近年は岩田豊雄の業績の再評価などを研究している。明治大学のシェイクスピア上演(明治大学シェイクスピア・プロジェクト)をコーディネイターとして統括・指導。国際演劇評論家協会日本センター会員。日本演劇学会理事。主要著作として『演劇の課題Ⅱ』(共著、三恵社、2015年)、最近の論文に「岩田豊雄「演劇皆無に對する感想」(一九三三)を読む」(2020年)、「岩田豊雄の中のシェイクスピア――1955年 福田恆存演出『ハムレット』成立の一背景」(2020 年)。

山下純照さん
成城大学文芸学部教授。演劇美学者。近現代戯曲の「語り」と演じる部分の関係性に基づき、時間軸が往還するタイプの作品(日本語、英語、ドイツ語圏)を研究。論文リストはresearchmap→Yamashita Yoshiteruを参照。翻訳にフィッシャー=リヒテ『演劇学へのいざない』(共訳、2013年)、編著に『西洋演劇論アンソロジー』(西洋比較演劇研究会と共編、2019年)がある。

国際シンポジウム「演劇とエコロジー」

国際演劇評論家協会(AICT/IATC)は2023年9月に日本で国際理事会を実施します。それに合わせて、東京経済大学とAICT日本センターは、共同で「演劇とエコロジー」をテーマとした国際シンポジウムを開催いたします。



国際シンポジウム
「演劇とエコロジー」

開催日:2023年9月12日(火)
会場:東京経済大学 大倉喜八郎 進一層館ホール
参加無料・予約優先

開催概要
演劇は、人間の行為によって人間ならざるものへの想像力を働かせる。エコロジーは、自然を通じて人間の身体と情動への意識を転回させる。シンポジウム「演劇とエコロジー」は、政治・社会・芸術・歴史的視座から、全世界的な気候危機の時代における人間の表現を問い直す。
第1部では民俗学、社会運動、文化活動の各方面から、人間の表現が自然とどのような関係を取り結んできたか・取り結ぶべきかを明らかにする。人間の身体表現は自然に調和するものであるべきか、それとも不自然なものであるべきか? 自然環境の変化は人間の表現にどのような影響を及ぼすか? そして共同体はどのように当事者性と向かい合うべきか?
第2部ではより具体的な事例をもとに、グローバリゼーションの時代の演劇における人間中心主義の問題を議論する。デジタル化の時代にアナログメディアである演劇の果たすべき役割とは? 人間中心主義を超えるとは人間が不要であるということなのか? そして人ならざるモノへの想像力が生み出すものとは?


第1部(14:00~16:30)
「パフォーミング・アーツは自然におさまるか?―物語・身体・共同体をめぐって―」

パネリスト
赤坂憲雄(民俗学者、学習院大学教授)
黒部睦(環境アクティビスト、Climate Clockプロジェクト代表)
塚原悠也(contact Gonzoメンバー、KYOTO EXPERIMENT共同ディレクター)
花崎攝(シアター・プラクティショナー、演劇デザインギルド)
スペシャル・レポート
ハリマ・タハン(AICT/IATCアルゼンチン代表理事、ブエノスアイレス大学哲学科パフォーミング・アーツ研究所エリアコーディネーター)

*手話通訳あり

第2部(17:30~19:30)
「演劇は人間中心主義を超えるべきか?―人間とモノのはざまで―」

パネリスト
宮城聰(演出家、SPAC 静岡県舞台芸術センター芸術総監督)
ヴィッキー・アンゲラキ(演劇研究者、ミッド・スウェーデン大学教授)※都合により、アンゲラキさんは来日されず、映像でのご発表となりました。あらかじめご容赦ください。

ディスカッサント
ジェフリー・エリック・ジェンキンス(AICT会長、イリノイ大学教授)
ツー・ニン(AICT中国代表理事)
パヴィット・マハサリナンド(AICTタイ代表理事)
*日本語通訳・手話通訳あり


申し込み方法
予約フォーム(https://docs.google.com/forms/d/1-4CvmE2PbdythfKOYdkzBSn8wT_WcfuWTr0LIQcXAVs
またはメールにてご予約ください。
※メールの場合「件名:演劇とエコロジー」とし、「お名前、人数、電話番号」を明記ください。
※広い会場を用意しておりますが、参加人数把握のため、事前予約にご協力ください。


AICT/IATC(国際演劇評論家協会)について
AICT/IATC(Association Internationale des Critiques de Theatre / International Association of Thetare Critics)はユネスコの下部組織で、世界約50の国・地域が参加する舞台芸術評論家の協会です。1956年にパリで設立され、舞台芸術評論の発展に寄与し、それを通じて舞台芸術に関わる国際会議・国際交流を行い、異文化間の相互理解を深める活動をしています。https://aict-iatc.org/en/

主催:東京経済大学学術研究センター
共催:国際演劇評論家協会(AICT)日本センター
問い合わせ:aictjapan@gmail.com(国際演劇評論家協会日本センター)、042-328-7930(東京経済大学本橋哲也研究室)

舞台評論家たちによるユネスコ傘下の国際組織の日本支部です。