AICT のすべての投稿

「国家情報会議」および「国家情報局」設置に関する共同声明

私たち舞台芸術に関わる者は、日本政府が現在進めている「国家情報会議」および「国家情報局」設置の動きについて、強い懸念を表明します。これらの制度は、外国の諜報活動や安全保障上の脅威に対処するために国家のインテリジェンス機能を集約するものと説明されてはおりますが、そのような監視・情報管理体制の強化は、社会の言論環境や文化活動を萎縮させる可能性をはらんでいることは、歴史を見ても明らかです。特に、言語を媒介とする芸術である演劇の「表現の自由」に重大な影響を及ぼしかねないことを、演劇の実践活動と批評活動に関わる私たちは深く危惧しております。

演劇は古来、そして現在も、社会の矛盾や権力の構造、国家が語る物語そのものを問い直す公共の芸術として、2500年以上の歴史を経てきました。近現代においては特に、戦争や軍事、国家アイデンティティ、歴史認識など、社会の根幹に関わる問題が舞台で取り上げられ、市民のあいだで共有され、議論の土台となってきたことは、多くの優れた劇作品や演出家、俳優、批評家、研究者の活動が証明していることです。そうした作品が上演され、多様な人々のあいだで語り合われる社会の基盤こそが「表現の自由」にほかなりません。日本国憲法第21条は、思想および言論・表現の自由を民主主義社会の基本原理として保障し、国家権力による思想や芸術への介入を厳しく制限していますし、演劇における自由な表現環境もまた、民主主義社会の重要な基盤の一つなのです。

しかしながら、近年、世界各地で監視制度の拡張が文化や言論の環境に影響を及ぼしていることが指摘されています。例えばロシアでは、2012年に国外から資金提供を受ける団体を「外国エージェント」として登録する制度が導入されました。その後の法改正により適用範囲は拡大し、文化団体や芸術家、ジャーナリストにも及ぶようになり、その結果、国際交流を担ってきた多くの市民団体や個人が、外国勢力の利益を促進する存在と同一視され、排除される危険にさらされるようになりました。欧州人権裁判所も、この制度が言論や結社の自由を侵害するものであると指摘しています。

さらに深刻なのは、表現者自身が監視や排除を恐れ、無難な題材を自ら選び取るようになる「自己検閲」の拡大です。この現象はしばしば「やわらかい検閲」と呼ばれ、国家による直接的な禁止がなくとも、暗黙の合意や周囲への忖度によって、文化や言論の活力を徐々に奪い、弱体化させるものです。なぜなら演劇は、異なる文化や政治的立場を持つ他者への理解と共感を育てるうえで、特別な力を持つ芸術だからですし、劇場は観客が自ら経験していない歴史や他者の立場を想像し、体験する公共空間でもあるからです。子どもたちや若い世代がそのような場で社会や世界の問題を想像的に考える機会を失ったまま育ち、演劇その他の文化を通じた国際的対話に対して消極的な、偏った社会が形成されるならば、文化のみならず社会全体の精神的物質的基盤を損壊することになりかねません。

文化の多様性と「表現の自由」は、民主主義社会の基盤であり、国際社会が共有してきた価値です。先の大戦において演劇が経験した弾圧の歴史、そして戦後、平和的共存のために培われてきた演劇の国際交流の歩みを次世代に継承してゆくことは我々の責務でもあります。その歴史的教訓を踏まえ、私たちは「国家情報会議」および「国家情報局」の制度設計について最大限の懸念を表明するとともに、社会に開かれた十分な議論と慎重な再検討が行われることを強く求めます。

2026年3月31日

国際演劇評論家協会日本センター(安達紀子、穴澤万里子、石井達朗、井上優、今井克佳、今村修、岩城京子、岩佐壮四郎、内田洋一、梅山いつき、エグリントンみか、太田耕人、岡田恒雄、小田幸子、河合祥一郎、菅孝行、坂口勝彦、沢美也子、柴田隆子、上念省三、須川渡、鈴木理映子、瀬戸宏、高田和文、高野しのぶ、竹田真理、橘涼香、田中綾乃、谷岡健彦、田村真弓、塚本知佳、寺尾格、中西理、林あまり、針貝真理子、平田栄一朗、藤井慎太郎、藤城孝輔、星野明彦、松岡和子、松山響子、丸田真悟、三宅舞、村井華代、目黒慎吾、本橋哲也、山口宏子、山田勝仁、山本健一、山口遥子、吉原ゆかり)

公益社団法人国際演劇協会(ITI)日本センター 理事会有志

《思考の種まき講座53》

能役者・清水寛二氏に聞く
能の世界を現代に広げるために
(聞き手=小田幸子)

【日時】 2026年3月21日(土) 18:00~20:00

【会場】 座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】 500円(学生=無料)*当日清算
【予約・問合せ】 aictjapan@gmail.com(予約優先)
 *メールの場合は、件名 「思考の種まき講座53」 とし、「お名前・人数・日中のご連絡先TEL」を明記ください。
 *内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。
【主催】国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

《思考の種まき講座52》

ロシアにおけるチェーホフ劇の演出

講師=安達紀子


【日時】2026年2月28日(土)16:00~18:00
【会場】座・高円寺  けいこ場(地下3階)
【参加費】500円(学生=無料) *当日清算
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com(予約優先)
【ご予約フォーム】https://forms.gle/oDQMdG493yNuV6QJ8
*メールの場合は、件名 「思考の種まき講座52」 とし、「お名前・人数・日中のご連絡先TEL」を明記ください。

《思考の種まき講座51》

イスラエル演劇の現在

講師=村井華代(共立女子大学文芸学部教授)
【日時】2026年1月25日(日) 16:00~18:00

【会場】座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】500円(学生=無料) *当日清算
【申し込みフォーム】https://forms.gle/7X8jahBnpT1tDzvk8
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com(予約優先)
*メールの場合、件名 「思考の種まき講座51」 とし、「お名前・人数・日中のご連絡先TEL」を明記ください。
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。
【主催】国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

《思考の種まき講座50》

人形劇・オブジェクトシアターの現在地 2024-2025<

【講師】山口遥子(現代人形劇論・日欧比較人形劇史)

【日時】2025年12月21日(日) 16:00~18:00
【会場】座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】500円(学生=無料) *当日清算
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com(予約優先)
【予約フォーム】https://forms.gle/Agc82BqMqQEPcDZN7
*メールの場合は、件名 「思考の種まき講座50」 とし、「お名前・人数・日中のご連絡先TEL」を明記ください
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

《思考の種まき講座49》

イタリア演劇の50年―私が観た舞台を中心に

【講師】高田和文(イタリア演劇・比較演劇)
【日時】2025年11月23日(日) 16:00~18:00

【内容】1, 日本におけるイタリア演劇/2, 演劇大国としてのイタリア/3, この50年に私が観た舞台から/4, イタリアの演劇はどう変わったか/5, 日伊演劇交流の可能性

【会場】座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】500円(学生=無料) *当日清算
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com(予約優先)
【予約フォーム】https://forms.gle/vy3KRKKc27AyvS1g6
*メールの場合は、件名 「思考の種まき講座49」 とし、「お名前・人数・日中のご連絡先TEL」を明記ください
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

《思考の種まき講座48》

座・高円寺芸術監督 シライケイタ氏に聞く

(聞き手=濱田元子)
2025年10月19日(日)16:00~18:00

会 場 : 座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費 : 500円(学生=無料) *当日清算
予約・問合せ : aictjapan@gmail.com(予約優先)
予約フォーム: https://forms.gle/mVnYCdvxd928nG2W6
*メールの場合は、件名 「思考の種まき講座48」 とし、「お名前・人数・日中のご連絡先TEL」を明記ください。
*内容等変更がある場合は、AICTのホームページ等でお知らせします。
主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

《思考の種まき講座47》シアタークリティック・ナウ2025

第30回 AICT演劇評論賞受賞記念シンポジウム
「演劇における「近代化の逆説」をめぐって」

パネリスト:日比野啓×児玉竜一×井上優

日時:9月28日(日)16:20~18:20

【第30回AICT演劇評論賞受賞】
日比野啓著『「喜劇」の誕生 評伝・曾我廼家五郎』(白水社,2024)
【会場】 座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】 500円(学生=無料) *当日清算
【予約・問合せ】 aictjapan@gmail.com(予約優先)

劇評を書いてみよう!《批評の若葉セミナー》

国際演劇評論家協会[AICT]日本センターによる、演劇批評を書くための〈基本〉と〈実践〉を、段階ごとに学ぶ劇評講座です

【日程(全3回)】
≪基本編≫
[1回目]2025年 9月27日(土)
11:00~13:00:講師による事前レクチャー
14:00~15:00:シライケイタ演出『夏の夜の夢』観劇
15:30~17:00: 意見交換会
≪実践編≫
[2回目]10月19日(日)16:00~18:00:シライケイタ氏のトーク(思考の種まき講座)
[3回目]10月26日(日)16:00~18:00:講評および合評会

【講師】本橋哲也―AICT会長。イギリス演劇、カルチュラル・スタディーズ専攻。著書に『本当はこわいシェイクスピア』(講談社選書メチエ)、『ポストコロニアリズム』(岩波新書)、『思想としてのシェイクスピア』(河出書房新社)ほか。
【モデレーター】 三井武人―AICT会員。演劇研究者・演劇評論家。近畿大学非常勤講師。専門は、イギリス演劇、イマーシブ・シアター、観客論など。
======
【参加者】 定員10名 (申し込み順)
【参加資格】 年齢・経験不問
【参加費】全3回(観劇チケット代込)一般5,000円/U25(25歳以下)3,000円 (当日清算)
【申し込みフォーム】https://forms.gle/CSrWJ42WXaUoCec67
【会場】 座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【問合せ】 aictjapan@gmail.com
【主催】 国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

《思考の種まき講座46》

特別企画「シアターアーツ賞公開合評会!」
~演劇批評を目指す人あつまれ!~

日時:2025年8月31日(日)16:30~18:30
今回の講座は、演劇批評の新人賞「シアターアーツ賞」の受賞作、池田政之「弁慶の足 ~十三代目市川團十郎白猿はなぜ左足を上げたのか~」について、講評・質疑応答を公開形式で行う、初の試みです

会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(学生=無料) *当日清算
予約・問合せ:aictjapan@gmail.com (予約優先)
予約フォーム:https://forms.gle/t7111iRXBrbWkvVV9
主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺