思考の種まき講座《21》

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。6月の講座は、9月に開催予定のAICT国際シンポジウム『演劇とエコロジー』に向けて、登壇予定の赤坂憲雄さんと花崎攝さんをお招きします。


思考の種まき講座21
《演劇とエコロジー》
水/土/身体をめぐる思考
――人間中心主義を超えて――


パネリスト
赤坂憲雄(民俗学者、学習院大学教授)
花崎 攝(シアター・プラクティショナー、演劇デザインギルド)
司会=寺尾恵仁(北星学園大学専任講師・ドイツ演劇研究)



[日時]2023年6月17日(土)19:00~21:00
[会場]座・高円寺 けいこ場(地下3階)
[参加費]一般=500円(会員・学生=無料)*当日清算
[予約フォーム]https://forms.gle/aaMJWfnceTA7gzum7(予約優先)
[問合せ]aictjapan@gmail.com

主催:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
協力:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/


私達の身体は、物質的な循環によって常にこの世界とつながっている。自然を支配し、収奪する近代資本主義は、水や土や大気を通じて、私達自身の身体をも支配し、収奪する。気候変動による全世界的な災害が起きる時、私達自身の内なる自然もまた荒れ狂っているのかもしれない。「エコロジー」とは、自然という媒体を経由して、私達の身体と情動について問い直すための契機である。水や土といったエレメントは、私達人間(の表現)に何を与えてきたのか。気候危機によってあらゆる人間が当事者となることを求められる時、私達の身体には何が起こっているのか。演劇における想像と創造の可能性が、改めて問われている。


赤坂憲雄さん
東京都出身。学習院大学教授。専門は民俗学・日本文化論。東北学を掲げて、地域学の可能性を問いかけてきたが、東日本大震災を経て、東北学の第二ステージを求めるとともに、武蔵野学を探りはじめている。また、食べること・交わること・殺すことが交歓する風景に眼を凝らしている。主な著書に、『排除の現象学』『東北学/忘れられた東北』(岩波現代文庫)、『民俗知は可能か』(春秋社)、『性食考』『ナウシカ考』(岩波書店)、『奴隷と家畜』(青土社)、『災間に生かされて』(亜紀書房)ほか多数。

花崎 攝さん
早稲田大学卒業後、劇団黒テントに参加。ロンドン大学ゴールドスミス校で芸術学修士を取得。ワークショップ/プロジェクトの企画、進行、構成演出、俳優、講師など、現在は主に応用演劇の分野で活動している。主な仕事に、アジアのパフォーマーとの交流と創作を行うアジア・ミーツ・アジア(1998~)、水俣病患者と市民とのプロジェクト「水俣ば生きて」(2006)、平和構築のための「インドネシア・アチェの子どもたちのための演劇ワークショップ」(2006-09)、コーディリエラ地域(フィリピン)での環境教育プロジェクト(2014-21)、ドホーク(イラク)での平和構築プロジェクト(2022~)など。世田谷パブリックシアターでは継続的にコミュニティ・シアタープロジェクトを担当。障害のある人との活動も多数。日本大学芸術学部、武蔵野美術大学、立教大学で非常勤講師。