思考の種まき講座23

国際演劇評論家協会(AICT/IACT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。
8月は、9月12日(火)に東京経済大学で開催予定の国際シンポジウム「演劇とエコロジー」のプレ企画を兼ねて、第一部に登壇予定の環境アクティビスト黒部睦さんをお迎えします。国際シンポジウムの企画者である三井武人さん、寺尾恵仁さんが聞き手、司会をつとめます。


《演劇とエコロジー》
環境アクティビズムと演劇/パフォーマンス
~参加のあり方をめぐって~

パネリスト
黒部睦(環境アクティビスト、Climate Clock プロジェクト代表)
三井武人(演劇研究者・評論家、近畿大学非常勤講師)
司会
寺尾恵仁(演劇研究、アスブ企画所属俳優・ドラマトゥルク、北星学園大学専任講師)


日時:2023年8月20日(日)16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(会員・学生=無料)*当日清算
予約フォーム:https://onl.bz/nWaNtfW(予約優先)
問合せ:aictjapan@gmail.com
主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺


2023年6月9日(金)、環境アクティビストのグレタ・トゥーンベリさんは、卒業をして学生の身分ではなくなったことを理由に、毎週金曜日にスウェーデンの国会前で続けてきた「スクール・ストライキ」に一区切りつけることを自身のSNSで発表しました。2018年8月にひとりで始めたこの活動が「 Fridays For Future 」の名前で瞬く間に世界に広がり、若者を中心とした多くの人が環境問題の解決のために声をあげるきっかけとなったことにとても驚いたとも語っています。
また、自らが編集に携わった近著『気候変動と環境危機』の中で、「Fridays For Future」は抗議活動ではなく環境危機を広めることによって人々を啓蒙するための行動であるとも述べています。
少し強引ですが、これを皆さんに馴染みのある「演劇(パフォーミング・アーツ)」に結びつけるなら、「Fridays For Future」は人々の関心を環境問題に惹きつけるために生まれた「パフォーマンス(創造的行為)」であり、彼女は「Think Grobally, Act Locally(地球規模で考え、足元から行動しよう)」を実践し、多くの共感を呼んだ有能な「パフォーマー(実践者)」と言えるのではないでしょうか?
加えて、彼女の考えに共感し共に行動を起こす多くの人たちがいることを考えるなら「Fridays For Future」は、トゥーンベリさんを起点として世界中に広がった「参加型パフォーマンス」とも言えるかもしれません。
このような「演劇(芸術的行為)」と「アクティビズム(政治的行為)」の密接な関係性を、環境アクティビストで「Fridays For Future Tokyo」のオーガナイザーを務める黒部睦さんを交えて皆さんと一緒に考え、議論していきたいと思います。


黒部睦さん
国立音楽大学声楽専修4年。2001年生まれ、東京都出身。高校生時代にSDGsの啓蒙を始め、スウェーデンでの研修をきっかけに気候変動の危機に気づく。現在は「Fridays For Future Tokyo」オーガナイザーや「Climate Clock Japan」の代表として気候変動対策に取り組む。東京MX「堀潤モーニングFLAG」コメンテーター、TBSラジオ「アシタノカレッジ」buddyとして出演中。

三井武人さん
英国ローハンプトン大学卒業。筑波大学大学院修了。専門は、イギリス演劇、イマーシブ・シアター、観客論、演劇批評等。今年9月に行われるAICT/IATC国際シンポジウム「演劇とエコロジー」の共同オーガナイザーを務めている。

寺尾恵仁さん
日独現代演劇の俳優論を専門とする。今年9月に行われるAICT/IATC国際シンポジウム「演劇とエコロジー」では、共同オーガナイザーとして、第一部の司会を務める予定。