思考の種まき講座26

国際演劇評論家協会(AICT/IACT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。12月の講座は、山口瑤子さんと「人形劇あるいはオブジェクトシアター:物と人の新しい関係」と題して、演劇と「モノ」について考えます。

今年一年を振り返ってみると、異常気象…、軍事侵攻…、いよいよ私たちの社会もこのままではいかないという感覚を誰しも覚えたのではないでしょうか。そこでこの世界を見直すために「モノ」との関係に注目したいと思います。小さな「モノ」との関係を見つめ直した時、私たちは人間の無自覚な傲慢さに気づくことができるのかもしれません。


思考の種まき講座26
人形劇あるいはオブジェクトシアター:物と人の新しい関係



講師:山口遥子さん
日時:2023年12月10日(日)17~19時
会場:座・高円寺 けいこ場(地下3階)
参加費:一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
予約・問合せ:aictjapan@gmail.com (予約優先)
予約フォーム:https://forms.gle/wmkerwse9jMYKaPP6


人形劇は時代の映し鏡として、物と人の関係性をその都度可視化する。人形は19世紀末まで単に人間の小さく劣った模倣として見られてきたが、1980年ごろから人形劇の舞台では「物」特有の存在感やふるまいに独自の価値を見出す作品や、人・物が支配・被支配ではなく対等な相互的関係を結んでいる作品、いわば脱人間中心主義的な作品が目立つようになってきた。「物」に内在する生動性に注目する近年のニューマテリアリズムの議論は人形劇界でも盛んに参照されている。近年の作品から実例を示しながら、人形劇・オブジェクトシアターが提示する物と人の新たな関係性について考えたい。


山口遥子さん
独立行政法人日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学および成城大学非常勤講師。人形劇分野の国際的活動を支援するNPO法人Deku Art Forum理事長。「下北沢国際人形劇祭」の企画統括。https://www.sipf.jp/