シアタークリティックナウ2011「創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」開催のお知らせ
明治期の西洋演劇の移入から、戯曲はもとより演出、美術など、 さまざまな要素を海外から持ち込んだ日本の演劇界。だが一方でベ ンヤミンがエッセイ「翻訳家の使命」で書いたように、翻訳という 作業は常に不可能性をはらんでいる。そして、今また欧米の演劇界 から持ち込まれようとしているドラマトゥルクという職能。今年の AICT 受賞作2作をもとに、翻訳とドラマトゥルクが創作現場にもた らす可能性を探る。
国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎年「シアター・クリティック・ナウ」と題して、AICT演劇評論賞の授賞式と関連イベントを行っております。ティック・ナウ」と題して、AICT演劇評論賞の授賞式と関連イベントを行っております。今年のAICT演劇評論賞は、「ギリシャ劇大全」山形治江(論創社)、「ドラマトゥルク—舞台芸術を進化/深化させる者」平田 栄一朗(三元社)の二作品が選ばれ、また特別賞として、「劇作家ハロルド・ピンター」喜志哲雄(研究社)、「19世紀アメリカのポピュラー・シアター─国民的アイデンティティの形成」斎藤偕子(論創社)の二作品が選ばれました。
今年の「シアタークリティックナウ」では、山形治江氏、平田 栄一朗氏のほか、松岡和子氏、新野守広氏にも参加いただき、レクチャー、シンポジウムを開催いたします。
第1部 AICT演劇評論賞 授賞式 & 記念シンポジウム「 創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」
◯平田 栄一朗「ドラマトゥルクの使命」
◯山形治江×松岡和子×新野守広(司会)シンポジウム「 翻訳者の使命」
料金:1,000円(当日受付精算)
※シアターアーツ定期購読者は無料(先着30名まで、要予約)
第2部 パーティー 20時?
料金:3,000円(当日受付精算、要予約)
※立食形式のパーティです。カジュアルな雰囲気ですのでお気軽にご参加ください。
AICT演劇評論賞
『ギリシャ劇大全』山形治江(論創社)
やまがた・はるえ 1959 年生まれ。日本大
学教授。翻訳家。著書に『ギリシャ悲劇』(朝日新聞社)他。訳書にソフォクレス作『オイディプス王』『エレクトラ』(劇書房)、エウリピデス作『メディア』『オレステス』(れんか書房新社)。2003年度湯浅芳子(翻訳)賞受賞。
『ドラマトゥルク—舞台芸術を進化/深化させる者』平田 栄一朗(三元社)
ひらた・えいいちろう 1969 年生まれ。ドイツ演劇・演劇学。慶應義塾大学文学部准教授。主な著訳書『Theater in Japan』(共編著)、『ホストドラマ演劇』(共訳)、『パフォーマンスの美学』(共訳)。
AICT演劇評論賞 特別賞
『劇作家ハロルド・ピンター』喜志哲雄(研究社)
きし・てつお 1935 年生まれ。京都大学名誉教授。英米演劇専攻。著書に『喜劇の手法』『ミュージカルが《最高》であった頃』『シェイクスピアのたくらみ』(第14回AICT演劇評論賞)、訳書に『ハロルド・ピンター全集12012-03-30 05:46:05″
●AICT会長、金潤哲氏のメッセージ(野田学訳)
親愛なる日本の友人の皆様
日本における地震と津波の災害報道をテレビで拝見し、心を痛めております。また日本の皆様が多大なる勇気と自制をもって災害にたちむかっていらっしゃる姿に感動しております。日本人は立派な国民です。お慰めの言葉もありません。
しかしながらこの災害によって被害を被られた方々の痛み・悲しみ・辛さ、そしてご無事であった方々やご家族がご無事であった方々の喜びと安堵をともにしておりますことをお伝えしたく存じます。
日本の国民の皆様が一刻も早くこの惨劇より回復され、お力落としなく日常を回復されますことをお祈り申し上げます。私ならびに国際演劇評論家協会の同僚全員、この度の自然災害と闘われている皆様を支援致したく存じますとともに、お見舞いを申し上げます。どうかこの私たちの気持ちを日本センターの方々全員にお伝えいただければと存じます。
金潤哲
AICT(国際演劇評論家協会)国際シンポジウム・オン・アジア『国際共同制作と批評の役割』
AICT International Symposium on Asia“International Collaboration and the Role of Criticism”
多様性に富むアジアを舞台芸術を軸に捉えてみる時、「国際共同制作」という作業を通して考えることが有効ではないか。国境が消滅し、情報は越境し、身体もまた移動する。その一方で、国家間の格差が生まれ、ローカリティは希薄になり、画一化が進む。身体行為はこうした現象を批評できるだろうか。アジア各地で独自に行われている「実験」的な作業、とりわけ国家間を超えた共同作業に注目したい。アジア諸国を中心に世界各地から評論家を招き、具体的な作品・創作の実践の中から現在の舞台芸術の可能性を探る。(使用言語:日英、通訳あり)
11月21日(日) 会場:あうるすぽっと・会議室B(3階)
09:30 – 12:30
講演:「韓国の現代演劇」金潤哲(韓国芸術総合学校演劇院教授、AICT会長)
シンポジウム:「日本・韓国国際共同制作『焼肉ドラゴン』(鄭義信 作)をめぐって」
司会:西堂行人 パネリスト:鄭義信、金潤哲、金享起(順天郷大学教授、韓国AICT会長)
14:00 – 15:50
シンポジウム:「東南アジアの現代演劇と演劇交流の可能性」(映像紹介あり)
司会:立木2012-09-23 02:20:55″