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思考の種まき講座《8》演劇フォーラム「綺想を紡ぐ―野木萌葱トーク」

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。2022年5月は、「パラドックス定数」を主宰し、数々の快作を放ってきた野木萌葱さんをゲストに迎え、演劇人生、演劇を通して世界の見方についてお話をうかがいます。

※ 5月8日追記
ご好評につき、会場が「けいこ場1」に変更となりました。
予約優先となりますので、事前の申込みをおすすめします。

思考の種まき講座《8》演劇フォーラム
綺想を紡ぐ――野木萌葱トーク(聞き手=西堂行人)

日時:2022年5月29日(日) 16:00~18:00
会場:座・高円寺 けいこ場2けいこ場1(地下3階)
参加費:一般=500円、AICT会員・学生=無料
連絡・申込み先:aictjapan@gmail.com
(予約優先。お名前・人数・連絡先をお知らせください)

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
協力:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

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野木萌葱の名前を頻繁に聞くようになったのは、いつ頃からだろうか。

2010年代に入って、70年代生まれの若い劇作家たちが数多く登場してきた。彼(女)らはいわゆる「3・11」を契機に、社会的な題材を扱う劇を展開してきたのだが、その一人が野木だった。

1998年、大学在学中に「パラドックス定数」というユニットを立ち上げた野木は、2007年の『東京裁判』を契機に、メンバーを固定した劇団に衣替えした。小劇場での地道な活動を継続する中、彼女の名前を一躍世に知らしめたのは、2016年、和田憲明演出による『三億円事件』だった。1968年に府中で起こった強奪事件を犯人の側から真相を描くという意表を突く発想に、多くの観客や批評家が驚かされた。演出家・和田との共同作業は翌17年も続いた。1986年のグリコ・森永事件を扱った『怪人21面相』で、野木の劇作家としての才能に誰しも目をみはったのだ。

さらに、野木の評価を決定づけたのは、2018/19年のシーズンだった。この年、シアター風姿花伝の若手支援プロデュース「プロミシングカンパニー」に彼女の主宰するパラドックス定数が選ばれ、隔月で旧作を再演した。学生の頃から書き、演出してきた野木の作品がレトロスぺクティブとして一挙に日の目を見たのである。野木が若い頃から実に精度の高い作品を発表してきたことが明らかになった。彼女の名を世に知らしめた『三億円事件』と『怪人21面相』も、初演は自劇団だった。(2002年、06年)改めて、演劇界が野木萌葱と「パラドックス定数」を「発見」した一年でもあった。

野木萌葱の作品には、人の常識をぐらつかせる「綺想」がつねに仕込まれている。例えば、昨年末に上演された『Vitalsigns(ヴァイタル・サインズ)』は、謎めいたストーリーで観客の関心を惹きつつ、不意にSF的な想像力で劇を一気に飛躍させる。観客は日常を取り巻く何気ないものの中に得体の知れなさを発見する。『トロンプ・ルイユ』には馬同士の奇妙な対話がある。人馬が一体となった作品なのだが、その嘘臭さの中にこういうこともありうるのではと信じさせる不思議な説得力があった。かと思えば、日本の戦争の内部をえぐる『731』や『東京裁判』など、歴史に素材をとった硬派の作品もある。

野木萌葱はどういう発想でこれほど意表を突く綺想を思いつくのだろうか。その人生と演劇との出会いなどを語ってもらいたい。

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【プロフィール】

野木萌葱(のぎ・もえぎ):1977年横浜生まれ。劇作家・演出家。パラドックス定数主宰。日大芸術学部・劇作コース第一期生卒業。2016~18年、読売演劇大賞優秀作品賞受賞、2021年同演出家賞受賞。青年座、新国立劇場、神奈川芸術劇場(KAAT)などに戯曲を書き下ろす。
(4月24日追記:野木さんのプロフィールを修正しました。)

2022年「世界演劇デー」国際演劇評論家協会会長メッセージ

3月27日の「世界演劇デー」に際して、国際演劇評論家協会会長ジェフリー・エリック・ジェンキンスが「試練の時に橋を架ける」と題したメッセージを公開しました。日本語訳を以下に掲載いたします。原文(英語)は、AICT/IATC本部のホームページをご参照ください。

試練の時に橋を架ける

2022年3月25日

ジェフリー・エリック・ジェンキンズ

ひと月前、国際演劇評論家協会(AICT-IATC)は、主権国家であるウクライナに対するロシア政府の侵害行為に対する非難声明を、ロシアの会員たちとともに発表した。IATCは演劇批評と研究に携わる者の集団で、国際的言論、そしてあらゆる芸術形態の中で最も人間的である演劇の称揚を通して、表現の自由という旗を掲げている。

IATCのロシア支部は、甚大な個人への危険をかえりみず、勇敢にもクライナに対する戦争行為を公的に非難した。侵攻終結を訴えた一人の著名なロシア人劇評家は、自宅玄関のドアに「Z」の文字を殴り書きされた。1938年の「水晶の夜」にナチスがユダヤ人におこなった行為を思いおこす者もいる。

「テアトル」誌編集長のマリナ・ダヴィドヴァ氏は、現在自宅を離れ、ヨーロッパのある場所で安全を確保している。先週、英ガーディアン紙に彼女が語ったところによれば、抗議を表明する者を「裏切り者」「外敵同調者」とみなすという声明をロシア政府が出すなど「一ヶ月前には予想さえしなかった」という。アンドリュー・ロス氏によるレポートにおいて、ダヴィドヴァ氏はこう語っている。「かつては、こんな言葉遣いは過激化に対してしか使われなかった。それが今は大統領の口から発せられている。酷い話だ!」

ここ数週間、私たちはあらゆるウクライナ人の頭上に降り注ぐ恐ろしい虐殺行為を目の当たりにしている。そして無辜の市民の不条理な死に、そして一般市民が安全を求めて市街を駆け抜ける中で子供達がうずくまっている映像に、心を痛めている。

ケルソン・シアターのアレクサンドル・クニガ芸術監督が3月23日にロシア軍によって拘束されたという報告が、ウクライナ演劇芸術家組合のボクダン・ストルティンスキイ氏からIATCに届いた。ロシア軍は、ウクライナ劇場の他の芸術監督たちの身柄をも探しているという。世界中の指導的演劇人や人道的活動家たちが大きな抗議の声を上げたことで、クニガ氏は一日も経たないうちに無事に釈放された。

ロシアを戦争犯罪に携わるならず者国家として非難する決議表明を、現在各国政府は用意しているところである。当然ながら、普遍的な共通の大義においてわれわれを結びつけていた絆を取り戻すためにわれわれにできることは限られてくるだろう。演劇を通して人間経験の本質をさらに理解しようとするという大義である。サンクト・ペテルブルグですばらしい演劇作品を再び見ることができる日はいつになるだろう。ウクライナの演劇関係者は爆撃、拉致、そして拷問を生きのびられるのだろうか。

当座しのぎのシェルターで、ディズニーの『アナと冬の女王』の「レット・イット・ゴー」を自国語で歌うウクライナ人少女の姿に感動しない者がいるだろうか。狭苦しくむさ苦しいシェルターで何十人もの避難民に連日囲まれている状況下でこの少女はおずおずと歌い出した。それを誰かがスマートフォンで録画したのだ。シェルターのあちこちで交わされていた人声は徐々に静まっていく中、彼女は変化、復興、そしてわれわれが直面しているあらゆる苦難の克服への可能性を歌ったのである。

そしてわれわれは自問する。彼女は今どこにいるのだろう。変化の時にたって、彼女に未来はあるのだろうか。

運良く、7歳のアメリア・アミソヴィッチさんはポーランドに避難できた。ポーランドのスタジアムのチャリティ・イベントで彼女はウクライナ国家を歌い、英雄の歓迎を受けた。ハッピーエンドだ。しかしハッピーエンドを迎えられない物語が、これからどれだけ起きるのだろう。

今日3月27日、世界演劇デーが世界中で祝われている。AICT-IATCの提携団体である国際演劇協会(ITI)は、例年この日に著名な演劇人や先駆的論者によるメッセージを出している。今年、その役を担った著名なオペラ・演劇演出家のピーター・セラーズは「経験の芸術形態」としての演劇に注目している。

彼は言う。われわれは多様なメディアからくる絶え間ない情報に晒されている。そのためわれわれは、常に「時間の刃先」に立たされている。「あまりに多くの人びとが刃先に立たされている。あまりに多くの馬鹿げた、あるいは予期せぬ暴力が燃え上がっている。そしてあまりに多くの既存システムが構造的に残酷を存続させていることがあらわになってきている」 もし「世界」がなければ、もしグローバル共同体が壊されてしまったら、「世界演劇デー」のなどそもそも必要だろうか。

今こそ世界中の自由を愛する人々、自由を愛する政府が、表現と芸術の自由が守られる安全な世界を実現を目指して立ち上がるべきだ。そしてピーター・セラーズの警告と、明快きわまる呼びかけに耳を傾けるべきだ。「この仕事は人々がバラバラに行えるものではない。この仕事はおこなうのは、一緒でなければならない」

この世界演劇デーにおいて、世界中の政府、世界中の人々が団結し、主権国家間の平和がもたらされる高みを目指そうではないか。われわれの人間性の本質を安全に探求できる場の実現を目指そうではないか。

ジェフリー・エリック・ジェンキンズ(国際演劇評論家協会会長、イリノイ大学演劇学教授、ディカバリー・パートナーズ・インスティテュート(シカゴ)教授会員)

思考の種まき講座《7》人形劇人的な、あまりに人形劇人的な

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。2022年4月は、講師にプーク人形劇場の山口遥子さん、ゲストにチェコ・プルゼニ州立アルファ人形劇場代表のヤクブ・ホラさんを迎え、人形劇の最前線について話していただきます。

(※3月23日追記)追加ゲストとして、ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ教授のクラウディア・オレンスティンさんにもご参加いただけることになりました!アメリカ人形劇界の最新情報を報告していただけるそうです。

「思考の種まき講座 第7回」@座・高円寺

テーマ:人形劇人的な、あまりに人形劇人的な
講師:山口遥子(プーク人形劇場)
ゲスト:ヤクブ・ホラ(チェコ・プルゼニ州立アルファ人形劇場代表)

日時:2022年4月10日(日)16:00~18:00
場所:座・高円寺 地下3階 稽古場②

概要:
「演劇人」と同じく、「人形劇人」という言葉もあります。私もその1人ですが、「演劇人」よりもたぶん更に少しもの悲しく、たぶん更にお金も名誉もない、しかし同じく気骨溢れるかっこいい人たちなのです。私がこれまで出会って衝撃を受けた国内外の個性溢れる人形劇人たち一人一人にフォーカスしつつ、現代人形劇の不思議な世界に皆さんをお誘いしたいと思います。20世紀の日欧人形劇交渉史という私の専門領域も少しお話ししたいですが、それよりも聞いて役に立つであろう、日本とヨーロッパでいま良い人形劇を見るためのプラクティカルな情報をできる限りお伝えします。後半には、現代チェコ人形劇界をしょって立つ一人である制作者ヤクブ・ホラさんをお迎えして、チェコ人形劇の最新状況を聞き出します。

出演者プロフィール:
山口遥子(やまぐちようこ)

プーク人形劇場で制作、ドラマトゥルク、グラントライターをしつつ、日本とドイツ語圏の20世紀人形劇史を研究。日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学非常勤講師。昨年人形劇の国際制作などを支援するNPO法人Deku Art Forumを立ち上げた。

ゲスト:ヤクブ・ホラ(Jakub Hora)

チェコ・プルゼニ州立アルファ人形劇場代表。プラハ芸大人形劇科卒業後、リベレツ市立ナイブニ人形劇場、国際アニメーションフェスティバルANIFEST監督などを経て現職。チェコUNIMA及びチェコASSITEJ委員。ユーリ・ノルシュテインの書籍出版、イジー・トルンカの展覧会なども手がける。

ゲスト:クラウディア・オレンスティン

ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ教授。20年近くにわたり米国とアジアの現代・伝統人形劇について執筆。近著に、Women and Puppetry、The Routledge Companion to Puppetry and Material Performance(共編著)など。マーティン・E・シーガル演劇センターがUNIMA-USAと共同で発行する人形劇・仮面劇・関連芸術のオンラインジャーナル「Puppetry International Research」編集長。

主催:AICT国際演劇評論家協会日本センター
協力:座・高円寺
後援:チェコセンター東京

参加費:AICT会員および学生は無料。一般の方は500円。

予約・問い合わせ先: aictjapan@gmail.com

ロシア軍によるウクライナ侵攻に際して

国際演劇評論家協会日本センターは、ロシア軍によるウクライナ侵攻に際して、会長と事務局長の名前で、AICT本部の会長及び事務局長、またロシアとウクライナセンターの代表に以下のようなメッセージを送信いたしました。(2022.2.26)

発信者,文面の一部を修正しました。(2022.3.4)

賛同団体を追加しました。(2022.3.8)

*****************

Dear Friends and Colleagues within/without the Theatrical Community all over the World,

We  would like to express our strongest support for the message sent from the Russia Section to Ukraine Section regarding the current Russian military invasion of Ukraine.

First of all, we admire the courage and initiatives of our colleagues in Russia who raise their voices in the no doubt difficult circumstances, and add our own voices of compassion and sympathy towards our colleagues in Ukraine, praying for their safety.

As the history manifestly has shown, war does not produce anything but death and destruction and is totally against the humanity’s shared values, such as love of peace, respect for others, and compassion towards the vulnerable.

If we look at the history of institutionalized theatre for the past 2500 years, we can confidently say that theatre may not be as instantly powerful as politicians, economists or military personnel, but it is not at all powerless. As Sophocles’ protagonist Antigone exemplifies, theatre has taught us the most important lessons for the humanity to learn, that is to say, there is a rule to be followed universally, a rule dictated by heaven.

We appeal to the Russian soldiers to stop being a part of unprovoked military aggressions which do not produce any glory or victory, only resulting in an unending cycle of violence.

Finally, we would urge our friends and colleagues all over the world to unite and offer support for the suffering Ukrainians in whatever means possible, in order to end this horrific turn of events.

Sincerely yours,

AICT/IATC Japan Section

Association of Japanese Theatre Companies

Show Ryuzanji, Head of the Board of Directors, Japan Directors Association
Board of Directors of Japan Directors Association

Misaki Setoyama, President, Japan Playwrights Association
Some members of Japan Playwrights Association

*****************

演劇を愛する世界の友人たちへ、

私たち日本の演劇人は、このたびのロシア軍によるウクライナ侵攻に際して、ロシアセンターからウクライナセンターへと送られたメッセージに満腔の賛意を表させていただきます。

まず第一に、困難な状況のなかで声を上げていただいたロシアの同僚の皆さまの勇気と率先した行動に敬意を表し、ウクライナの同僚の皆さまの現状に思いを寄せて、その安全を心より祈念申し上げます。

歴史が示すとおり、戦争は死と破壊以外の何ももたらしません。それは、平和を愛する心、他者への敬意、弱きものへの共感共苦といった、人間が共有する価値観とは全く相いれないものです。

過去2500年間の演劇の歴史を見れば明らかなように、演劇は政治家や経済人、軍人ほど即座に権力を行使することはありませんが、まったくもって無力であるとは言えません。ソフォクレスの主人公アンティゴネがそうであるように、演劇は私たち人間にとって最も重要な教えを授けてくれています。すなわち、人には普遍的に従うべき規則というものがあり、それは天が定めた規則だということです。

ロシアの軍人たちに訴えます、正当な理由のない軍事攻撃に加担することをやめてください。それは何の栄光も勝利ももたらさず、ただ暴力の連鎖をもたらすだけだからです。

最後に世界中の友人と同僚の皆さんとともに、この戦争で苦しんでいるウクライナの人びとをどんな形であれ支援し、この恐るべき出来事を終わらせるために団結いたしましょう。

敬具

2022年2月26日

国際演劇評論家協会[AICT]日本センター

公益社団法人日本劇団協議会(2022年3月3日)

日本演出者協会 理事長 流山児祥
日本演出者協会理事会(2022年3月7日)

一般社団法人日本劇作家協会 会長 瀬戸山美咲
日本劇作家協会有志(2022年3月7日)

思考の種まき講座《6》演劇的思考とは何か――ドイツ演劇を例に

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として演劇講座を開催しております。2022年3月は、ドイツ演劇がご専門の平田栄一朗さんにおはなしをうかがいます。

「思考の種まき講座第6回」
演劇的思考とは何か――ドイツ演劇を例に

日時:2022年3月21日(月・祝)16:00~18:00

場所:座・高円寺地下3階けいこ場2

講師:平田栄一朗(ドイツ演劇)

対談相手:桂真菜(演劇評論家)

内容:
ドイツ演劇界と演劇研究の最前線では、演劇の思考をめぐる議論が行われています。それは演劇(戯曲)を見て(読んで)考えることは何であるのかという問いから出発しますが、同時にそれは私たちの思考そのものを根本から考え直すことでもあります。観客としての私たちは舞台上で起きている問題を見て考えますが、その思考そのものを振り返ることもできます。例えば私たちは問題を考えているようで、実際は既存の考え方をそれに当てはめているだけであり、本当は(あまり)考えていないのではないか、あるいは、舞台上の問題は既存の考え方だけでは捉え切れないのに、既存の考え方をなぞって考えているだけはないかなどと考え直すことができます。
このように劇を見て考えることを考え直すことで、私たちは自分の思考を――自分が考える以上に――広げたり柔軟にしたりすることができます。そしてこのような演劇の思考実験こそ、世間でしばしば言われる「既存の考え方が通用しなくなる不透明な時代だからこそ斬新な発想が必要だ」という社会的要請に対して真摯に応えるものであります。というのも、そのような考え方の根本的な意味があまり考慮されずに語られがちな昨今、何かを見て考えることの意義とその問題をラディカルに考え直すことは貴重な思考実験の機会であり、それゆえに舞台芸術は世間で考えられている以上に社会的な意義があると考えられます。
この講座ではこのような演劇的思考実験の試行錯誤について、18世紀から20世紀に至る近代演劇の問い直しの作業を具体例にして語ります。

参加費:国際演劇評論家協会日本センター会員と学生は無料。それ以外の方は500円。

問い合わせ先:aictjapan@gmail.com

思考の種まき講座《5》シェイクスピアとポピュラーカルチャー

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺を会場として対面による演劇講座を開催しております。第5回目となる2022年2月は、吉原ゆかりさんをお招きして、シェイクスピアとマンガ表現についてのお話をお聞きします。

場所:座・高円寺けいこ場②(地下3階)
日時:2022年2月20日(日)16時~18時
参加費:AICT会員と学生は無料、一般の方は500円。
連絡・申込み先:aictjapan@gmail.com

[吉原さんより]
シェイクスピアのよいところは、ユーザーたちが自分たちのいいように(というのは、自分の問題意識を反映させて、ということだが)いじれるところ。映画、漫画、アニメ、ドラマ、CM、コスプレ、舞台の、すでにこれはシェイクスピアではないのではないかと思えるほどに、大胆に使いまわされたシェイクスピアの諸例を見る(例:いのうえひでのり『メタルマクベス』=『マクベス』+『リチャード三世』+手塚治虫『バンパイヤ』+大友克洋『アキラ』など)。

講師:吉原ゆかり

筑波大学教員。論文に、「これ、シェイクスピア、マジで?」(『異文化理解とパフォーマンス』春風社)、「どっちだってグローカル-漫画/mangaとシェイクスピア」(『女性マンガ研究』青弓社)など。

ゲスト:真崎春望(さなざき はるも)

漫画家として40年。歴史、ファンタジーを中心に映画、オペラ、小説のコミカライズなど400タイトル以上手掛けた。(シェークスピアはマクベス、ロミオとジュリエットと真夏の夜の夢を漫画化している)。

聞き手:松山響子

駒沢女子大学教員。論文に「エドマンド・キーンの『ベニスの商人』『リチャード三世』―1814 年以降のキーン批評と観客から の受容―」、「シェイクスピアの『十二夜』を現代風に読む—読みやすい入門編?ラノベ型『十二夜』—」など。

思考の種まき講座《4》演劇フォーラム 新国立劇場演劇部門芸術監督・小川絵梨子さんに聞く

第4回思考の種まき講座を開催します。

演出家・翻訳家であり、新国立劇場・演劇部門の芸術監督の小川絵梨子さん。2018年に新国立劇場の芸術監督に就任すると、「こつこつプロジェクト ―ディベロップメント―」と題し、演出家が3〜4か月ごとに試演を重ね、一年をかけて作品をつくっていくという新たな試みをはじめられました。小川絵梨子さんに、新国立劇場の芸術監督としての活動、またこれからの演劇についてお話をうかがいます。(聞き手=内田洋一)

【日時】2022年1月30日(日)18:00~20:00
【会場】座・高円寺 けいこ場2(地下3階)
【参加費】一般=500円(会員・学生=無料)。
【予約・問合せ】aictjapan@gmail.com(予約優先)

*当日は、感染症予防対策にご協力ください。
*開催の変更がある場合は、国際演劇評論家協会[AICT]日本センターのホームページでお知らせいたします。事前のご確認をお願い申し上げます。

主催:国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
http://aict-iatc.jp/
協力:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

「紛争地域から生まれた演劇13」12月開催!

『国際演劇年鑑2022』特集企画「紛争地域から生まれた演劇13」The 24 Hour Plays『Viral Monologues』(2020)より5編(翻訳=月沢李歌子)
海外戯曲を紹介するITI主催の「紛争地域から生まれた演劇」シリーズ。
今年もAICTは協力団体として参加しています。

13回目を迎える今年は、コロナ下のアメリカで生まれたオンライン演劇『Viral Monologues』が紹介されます。

24時間以内に作品をつくって公演するニューヨークのプロデュース集団The 24 Hour Playsが手がけるもので、劇作家が俳優のために18時から翌朝9時までにモノローグを書き、俳優が9時から18時までの間に演じてスマートフォンなどで撮影、18時から15分おきに各モノローグを配信するという形で現在進行形で行われています。

1. 無敵の私たち(Invincible)
作=ジェシカ・ブランク、エリック・ジェンセン(Jessica Blank and Erik Jensen)
出演=土井ケイト

2.発信者不明(Unknown Caller)
作=ダン・オブライエン(Dan O’Brien)
出演=後藤佑里奈(劇団俳優座)

3.今回の旅行(This Trip)
作=チャーリー・オリアリー(Charlie O’Leary)
出演=熊川隆一(劇団ラッパ屋)

4.なによりつらいこと(The Hardest Part)
作=ハワード・シャーマン(Howard Sherman)
出演=平田満(アル☆カンパニー)

5.訪ねてきてくれてありがとう(Thank You for Visiting Me)
作=ジュ・イー(Zhu Yi/朱宜)
出演=井上加奈子(アル☆カンパニー)
(上映順未定)

【上映会】
◎日時
2021年12月11日(土)14時〜15時半
2021年12月12日(日)14時〜15時半
*各日20席限定
*配信は2022年1月17日(月)10時〜23日(日) 23時59分(予約受付は12月13日から)

◎会場
東京芸術劇場アトリエウエスト(B1階)

◎トークゲスト
12月11日(土)竹中香子(俳優)
12月12日(日)外岡尚美(青山学院大学教授、アメリカ演劇)
*『国際演劇年鑑2021』には、外岡氏による『Viral Monologues』の紹介が掲載されています。

◎その他企画
上映会では、5作品の上映とトークの他にも、展示等計画中です。次報にご期待ください。

◎チケット発売日 2021年11月16日(火)
*こりっち、電話、メールで受付
*配信チケットはカンフェティチケットセンターで12月13日(月)発売

◎チケット料金
各日 1,500円(配信も同料金)

◎ご予約・お問合せ
国際演劇協会日本センター 平日11時~17時
E-mail: ititicket@gmail.com
Tel: 03-3478-2189

Web予約:CoRich!舞台芸術

*メールでお申し込みの際は件名を「紛争地域から生まれた演劇13申込」として以下5点を明記のうえお送りください。
①氏名・ふりがな ②希望日時 ③人数 ④電話番号 ⑤ititicket@gmail.comから受信可能なメールアドレス
*会期中は090-2942-2060(山田)までお問合せください

「紛争地域から生まれた演劇13」12月開催!(11/16チケット発売)

思考の種まき講座《2》「女たちを忘れない~英国の女性劇作家たち」

第2回<思考の種まき講座>を開催いたします。

今回の講座は、10月に座・高円寺で上演された『男たちの中で』(作=エドワード・ボンド、演出=佐藤信)の関連企画です。

前回のエドワード・ボンドという英国男性作家に対して、今回は關智子さんがサラ・ケインを中心に英国女性作家について講義してくださいます。

ゲストの占部房子さんは、2016年に佐藤信さん演出の、同じエドワード・ボンドの「戦争戯曲集 三部作」に出演されていることから、今回ゲストとしてお招きすることになりました。

ちなみに、占部さんはこれから上映される、濱口竜介監督の『偶然と想像』(第71回ベルリン国際映画祭・銀熊賞〈 (審査員グランプリ〉受賞)にも出演されています。

多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

第2回<思考の種まき講座>
「女たちを忘れない~英国の女性劇作家たち」

講師:關智子(AICT会員)
ゲスト:占部房子(女優)

日時:11月21日(日)16:00~18:00
場所:座・高円寺地下3階けいこ場2
参加費:500円(当日清算)
申込み:info@theatre-koenji.jp(お名前、日中の連絡先、人数)

※『男たちの中で』チケット半券をお持ちの方は、「思考の種まき講座」1か2、どちらか1回は無料で参加できます。