思考の種まき講座《18》

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。3月は河合祥一郎さんをお迎えして、シェイクスピアと狂言についてお話を伺います。


劇カフェ「シェイクスピア×狂言」

ゲスト:河合祥一郎
聞き手:山本健一・小田幸子



【日時】2023年3月12日(日)16~18時
【会場】座・高円寺「けいこ場」(地下2階)
【参加費】一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
【予約フォーム】 https://forms.gle/LXmNuLb5FRJ9tSFr7
※予約優先。「予約フォーム」または、下記「問合せ」メールアドレスからご予約ください。(メールの場合、件名に「劇カフェ」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記してください。)
【問合せ】aictjapan@gmail.com
【主催】国際演劇評論家協会[AICT]日本センター http://aict-iatc.jp/
【協力】NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺


AICT会員から専門分野の話をトーク形式でうかがう「劇カフェ」。
今回は、シェイクスピアがご専門の河合祥一郎氏をお招きしました。
シェイクスピア上演台本の翻訳を中心に、文楽や新作狂言の脚本、Kawai Projectにおける新訳と演出と、その活動は演劇の現場に広がっています。
世田谷パブリックシアターで上演した『国盗人』・『マクベス』ほか、狂言師・野村萬斎氏との共同作業を手がかりに、シェイクスピアと狂言、古典劇と現代劇、東洋と西洋など、多彩な対立項をはらんだ「日本におけるシェイクスピア上演」について、たっぷりお話しいただきます。


河合祥一郎(かわい・しょういちろう)さん
東京大学教授。ケンブリッジ大学と東京大学より博士号取得。著書に中公新書『シェイクスピア~人生劇場の達人』、サントリー学芸賞受賞作『ハムレットは太っていた!』(白水社)ほか。2003年の野村萬斎主演『ハムレット』からシェイクスピア新訳をスタート。その後、萬斎師とは『国盗人』(2007初演、2009再演)、『マクベス』(2010初演、2013再演、2014再再演、2016四演)、新作狂言『根日女』脚本(2015)、リーディング『アテネのタイモン』(2019)、リーディング『ハムレット』(2022)、『ハムレット』(2023)(以上いずれも萬斎演出)、狂言英語字幕、蜷川演出『ファウストの悲劇』(2010)でご一緒した。Kawai Projectを企画して演出も手がけ、2019年第11回小田島雄志・翻訳戯曲賞特別賞を受賞。作・演出の『ウィルを待ちながら』は2022年6月シビウ国際演劇祭に招聘された。2023年7月1日~11日、早稲田どらま館にて新作『悪い仲間』(作・演出)上演予定。

山本健一(やまもと・けんいち)さん
演劇評論家。1944年東京生まれ。朝日新聞学芸部で文化・演劇を担当。東京本社編集委員を経て退職。国際演劇評論家協会(AICT)日本センター前会長。朝日新聞夕刊他で演劇評を執筆している。著書に『劇作家秋元松代ー荒地にひとり火を燃やす』(AICT演劇評論賞)。

小田幸子(おだ・さちこ)さん
能・狂言研究家。博士(文学)。第39回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。専門は能・狂言の作品研究と演出史。新作や復曲のドラマトゥルク、講演、解説、批評など研究と舞台をつなぐ活動も行っている。AICT会員・シアターアーツ編集員。

第27回シアターアーツ賞結果発表

先日、第27回シアターアーツ賞の選考会が行われ、以下の通り、今年度の受賞作が決定しましたのでご報告申し上げます。

【大賞】佐藤未来羽「白井晃演出『アルトゥロ・ウイの興隆』―「熱狂」と「距離」をめぐって―」

【佳作】高嶋慈「プッチーニ『蝶々夫人』の批評的解体と、〈声〉の主体の回復 ―ノイマルクト劇場& 市原佐都子/Q『Madama Butterfly』」

第27回シアターアーツ賞結果発表

受賞作と選評は『シアターアーツ』第67号に掲載予定です。

Act33号をリリースしました(関西支部)

Act33号ウェブ版を公開しましたので、どうぞご覧ください。

https://aictact2020.wixsite.com/act33

収録内容は、以下の通りです。

★無罪か、有罪か?ー―手話裁判劇『テロ』を観て■岡田 祥子

★昨日に向かって撃て! 令和日本の『サンシャイン・ボーイズ』
加藤健一事務所公演 vol.107■瀧尻浩士

​★身体で動かすアニメーション――舞台『千と千尋の神隠し』■藤城孝輔

★日本女性の死はなにを解放するのか ノイマルクト劇場 & 市原佐都子/Q『Madama Butterfly』

​■柏木純子

思考の種まき講座《17》

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。2月は「テラヤマワールドにようこそ!」と題し、山田勝仁さん、髙田恵篤さんをお迎えして、寺山修司について語っていただきます。


テラヤマワールドにようこそ!

講師:山田勝仁
ゲスト:髙田恵篤
司会・進行:林あまり



【日時】2023年 2月5日(日) 19~21時
【会場】座・高円寺 けいこ場(地下3階)
【参加費】500円(会員・学生=無料) *当日清算
【予約フォーム】 https://forms.gle/LpNpzhSQqvab2ajR6
【予約・問合せ】 aictjapan@gmail.com
※ 予約優先。上記のフォーム、またはメールにてお申込みください。(件名に「思考の種まき講座・2月」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記してください。)
【主催】NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
【協力】国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
http://aict-iatc.jp/


今回の講座は、演劇実験室◉万有引力による『草迷宮』上演にあたり、寺山修司の演劇にスポットを当てます。寺山の活動に造詣の深いジャーナリストの山田勝仁さんをお迎えし、たっぷりお話をうかがいます。
後半では、終演直後の万有引力・高田恵篤さんにもお入りいただき、天井桟敷の芝居づくりについてなど、さまざまうかがってゆきます。
今年は寺山修司没後四十年にあたります。私は寺山さんとお話したことはありません。それでもこの四十年、「いま寺山修司がいたら何を言い、何をつくるだろうか」と自分に問い続けてきました。
参加者みなさまが、改めて寺山修司に出会う時間となれば幸いです。(林あまり)


山田勝仁(やまだ・かつひと)さん
1955年、青森生まれ。早稲田大学法学部卒業。1980~2015年、夕刊紙「日刊ゲンダイ」編集局勤務。退職後は演劇ジャーナリストとして活動。著書『寺山修司に愛された女優 演劇実験室・天井桟敷の華・新高けい子伝』(河出書房新社刊)。日刊ゲンダイで「演劇えんま帳」連載中。国際演劇評論家協会[AICT]会員。1960~80年代のラジオドラマ黄金期の音源収集及び研究も。

髙田恵篤(たかた・けいとく)さん
1980年寺山修司主宰「演劇実験室◉天井桟敷」に入団。同劇団解散後「演劇実験室◉万有引力」結成に参加。舞踏・コンテンポラリーダンスなど多方面に客演。現在、劇団の活動をはじめ、外部での出演・演出も手がけている。最近の主な出演作品に『エレファントバニッシュ』『春琴』『カフカ三部作』『奴婢訓』『リア王』『旅とあいつとお姫さま』『マクベス』『小さな王子さま』など。演出作品に『奴婢訓』『盲人書簡』『糸地獄』など。

林あまり(はやし・あまり)さん
歌人、演劇評論家。1963年、東京生まれ。高校時代に寺山修司の短歌に出会う。成蹊大学に進み、歌人・前田透に師事、短歌誌「詩歌」入会。透急逝後、同人誌創刊に参加。大学四年からマガジンハウス「鳩よ!」で短歌、劇評を書き始める。「新劇」を経て現在「テアトロ」劇評など。紀伊國屋演劇賞審査員。国際演劇評論家協会[AICT]会員。大学非常勤講師。坂本冬美「夜桜お七」など、作詞も手がける。

思考の種まき講座《16》

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。

1月の思考の種まき講座は、豊岡演劇祭2022の『Madama Butterfly』をはじめ、話題作を作り続けている市原佐都子さん、スペシャルゲストに市原作品の出演も多い竹中香子さんをお迎えし、現代演劇の最前線で活躍されているお二人にお話をうかがいます。

予約優先となりますので、参加を希望される方は予約フォームから事前にお申し込みください。


市原佐都子の演劇世界

ゲスト:市原佐都子
スペシャルゲスト:竹中香子
聞き手:鈴木理映子



[日時]2023年1月29日(日) 18:00~20:00
[会場]座・高円寺2(地下2階)
[参加費]一般=500円(会員・学生=無料) 当日清算
※ 予約優先。「予約フォーム」または、下記「問合せ」メールアドレスからご予約ください。(メールの場合、件名に「思考の種まき講座・1月」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記してください。)
[問合せ]aictjapan@gmail.com
[主催]国際演劇評論家協会[AICT]日本センター
[協力]NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺


市原佐都子(いちはら・さとこ)さん
劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督。1988年大阪府生まれ福岡県育ち。2011年よりQ 始動。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自の言語センスと身体感覚で捉えた劇作、演出を行う。2011年、戯曲『虫』にて第11回 AAF 戯曲賞受賞。2017年『毛美子不毛話』が第61回岸田國士戯曲賞最終候補となる。2019年に初の小説集『マミトの天使』を出版。同年『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』をあいちトリエンナーレにて初演。同作にて第64回岸田國士戯曲賞受賞。2021年、ノイマルクト劇場(チューリッヒ)と『Madama Butterfly』共同制作。チューリヒ・シアター・スペクタクル、ミュンヘン・シュピラート演劇祭、ウィーン芸術週間等で上演。2022年、ロームシアター京都レパートリーの創造にて『妖精の問題 デラックス』を上演。

竹中香子(たけなか・きょうこ)さん
2011年に渡仏し、日本人としてはじめてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格し、2016年、フランス俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心に多数の舞台に出演。2017年より、日本での活動も再開。フランスの演劇教育や俳優のハラスメント問題に関するレクチャーやワークショップを行う。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な最近の出演作に、市原佐都子作・演出『Madama Butterfly』『Madame Chrysanthemum』、太田信吾作・演出『最後の芸者たち』。太田信吾との共同企画、映画『現代版 城崎にて』では脚本を担当。2022年度KIACレジデンスアーティストとしてフランソワ・グザビエ=ルイエとソロパフォーマンス作品を共同執筆中。近年は、演劇の創作現場における日仏通訳を多数受け持つ。https://mill-co-run.com

鈴木理映子(すずき・りえこ)さん
編集者、ライター。演劇情報誌「シアターガイド」編集部を経て、2009年よりフリーランスとして、舞台芸術関連の原稿執筆、冊子、書籍の編集を手がける。NPO法人芸術公社創立メンバー。成蹊大学文学部芸術文化行政コース非常勤講師。東京芸術祭ファーム2022ラボ <ファーム編集室>室長。【共編著】『<現代演劇>のレッスン』(フィルムアート社)【共著】「宝塚風ミュージカル劇団のオリジナリティ」(『地域市民演劇の現在芸術と社会の新しい結びつき』森話社)「翻訳ミュージカルの歴史」(『戦後ミュージカルの展開』森話社)、「漫画と演劇」(『演劇とメディアの二十世紀』森話社)【監修】『日本の演劇公演と劇評目録1980〜2018年』(日外アソシエーツ)、ACL現代演劇批評アーカイブ https://acl-ctca.net/

思考の種まき講座《15》

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。12月は安達紀子さんにロシア演劇についてお話をうかがいます。


「激動の時代を歩んできたロシア演劇」
 講師:安達紀子


ロシアにおいて、演劇は演劇以上の意味を持ち、演劇以上の役割を果たしてきた、と言っても過言ではありません。いまコロナのパンデミックとウクライナ侵攻が続くなか、ロシアの演劇界では何が起こり、演劇人たちはどのような反応を示しているのか、激動の時代を歩んできたロシア演劇の足跡をたどりながら、現在のロシア演劇の傾向、その動向について考察してみたいと思います。


[日時]2022年12月25日(日) 16:00~18:00
[会場]座・高円寺 けいこ場(地下3階)
[参加費]一般=500円(会員・学生=無料)※当日清算
[予約フォーム]https://forms.gle/8cjDLMjKdGZ4GfFR8
※予約優先。「予約フォーム」または、下記「問合せ」メールアドレスからご予約ください。(メールの場合、件名に「思考の種まき講座・12月」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記してください。)
[問合せ]aictjapan@gmail.com
[主催]NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
[協力]国際演劇評論家協会日本センター http://aict-iatc.jp/


講師プロフィール
安達紀子(あだち・のりこ)
早稲田大学大学院博士後期課程ロシア文学科を修了。朝日新聞モスクワ支局の通訳を経て現在、早稲田大学、慶応義塾大学の非常勤講師。著書に『モスクワ狂詩曲』、『モスクワ綺想曲』(小野梓記念芸術賞)、『ロシア 春のソナタ、秋のワルツ』など。訳書にスタニスラフスキーの『俳優の仕事』(共訳、日本翻訳出版文化賞)、チェーホフの『三人姉妹』『桜の園』、ゴーリキーの『どん底』など。1999年ロシア文化省よりプーシキン記念メダルを授与される。

思考の種まき講座《14》

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。11月の思考種まき講座は、「ディケンズとヴィクトリア朝のクリスマス」と題し、『魅惑のヴィクトリア朝――アリスとホームズの英国文化』などの著書がある、英文学・比較文学者の新井潤美さんに、『クリスマス・キャロル』を中心にディケンズとヴィクトリア朝のクリスマスについて語っていただきます。

「ディケンズとヴィクトリア朝のクリスマス」
講師:新井潤美(あらい・めぐみ)

チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」は最初に発表された頃から絶大な人気を博し、今でもイギリスやアメリカのクリスマスには何らかの形で舞台やテレビに登場する。ディケンズはクリスマスというイベントを「発明」したとまで言われることもあるほどだ。ディケンズとヴィクトリア朝のクリスマスに目を向けることによって、ヴィクトリア朝の社会や文化のありを見ていきたい。

[日時]2022年11月23日(水・祝) 16:00~18:00
[会場]座・高円寺けいこ場(地下3階)
[参加費]500円(AICT会員・学生:無料)
[予約フォーム]https://forms.gle/TdMfSq48tHwKEH8R8
※ 予約優先。「予約フォーム」または、下記「問合せ」メールアドレスからご予約ください。(メールの場合、件名に「思考種まき講座・11月」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記してください。)
[問合せ]aictjapan@gmail.com
[主催]NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
[協力]国際演劇評論家協会日本センター

講師プロフィール
新井潤美(あらい・めぐみ)
東京都生まれ。英文学、比較文学者。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に『魅惑のヴィクトリア朝――アリスとホームズの英国文化』(NHK出版)、『「英国紳士」の生態学 : ことばから暮らしまで』(講談社)、『ノブレス・オブリージュ : イギリスの上流階級』(白水社)、『英語の階級――執事は「上流の英語」を話すのか?』(講談社)などがある。

AICT関西支部演劇講座①「創作現場の多様性を巡って―ピンク地底人3号と山本かれんの視点」

「創作現場の多様性を巡って―ピンク地底人3号と山本かれんの視点」

舞台芸術の創作現場では多様性を生む様々な試みがあり、そこには様々な困難や気づきがあるはずですが、その様子は観客にはわかりません。今回の演劇講座では 10 月にKAVC で手話裁判劇『テロ』(作:フェルナンド・シーラッハ)を演出したばかりのピンク地底人3号さんを講師にお呼びします。様々な人が集う稽古場だからこそできたこと、それゆえに難しかったこと、など、具体的な例をお伺いします。対談相手は大学の技官として学生の創作現場に携わると同時に、舞台や映像を作る京都発のディレクションチームnidone.worksで美術、小道具を担当する山本かれんさん。大学ではどう多様性に取り組むことができるだろうか、というあたりを軸に話を広げていく予定です。ゆるっとした座談会形式をとりますので、みなさまぜひご参加ください。

 

日時:2022 年 10 月 23 日(日)16時 00分~17時30分(受付開始・開場:15時45分)

料金:無料(カンパ箱設置)

会場:Social Kitchen 2 階(〒602-0898 京都市上京区相国寺門前町699 Social Kitchen)

※アクセスは会場の公式サイト参照(http://hanareproject.net/access_contact/

※1階はCaféです。営業していれば、お茶もできます。11時半~16時(LO:15時半)

講師:ピンク地底人3号(ももちの世界)山本かれん(nidone. works)

司会:岡田蕗子(国際演劇評論家協会(AICT/IATC)関西支部会員)

予約・問合せ:aict.act2020☆gmail.com(岡田)※「☆」を「@」に変えてご送信ください。

※予約優先。予約時は、お名前、人数、ご連絡先(メール・電話番号等)をお知らせください。

※ご来場時は感染対策にご協力ください。※体調が悪い場合はご来場をお控えください。

主催:国際演劇評論家協会(AICT/IATC)関西支部

【講師紹介】

ピンク地底人3号(ももちの世界) 

劇作家/演出家 同志社大学文学部文化学科美学芸術学卒業。2006年からピンク地底人の長男兼リーダーとして活動を開始。元納棺師という異色の経歴を持つ。生者と死者の境界を曖昧にしながら、人間や社会の暗部を容赦なく描く作劇が特徴。近年は手話を使った作品を立て続けに発表し、新たな挑戦も始めている。代表作に2018年『わたしのヒーロー』(第6回せんだい短編戯曲賞大賞受賞)、2019年『鎖骨に天使が眠っている』(第24回劇作家協会新人戯曲賞受賞)、2020年『カンザキ』(第27回OMS戯曲賞佳作受賞)、2021年『華指1832』(第66回岸田國士戯曲賞最終候補)等がある。

山本かれん(nidone. works)

1996年生まれ、大阪府出身。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の舞台芸術学科を卒業。主に舞台美術を学びながら在学中よりnidone.worksとして活動。現在は同大学の職員を務めながらnidone.worksの活動や個人で美術、小道具製作、イラストなどの仕事を請け負う。遊び心や小ボケを作品に取り込みながら、大人も子どももクスッと笑えて温かくなれるようなモノづくりを心がけている。

思考の種まき講座《13》

※(10月17日追記)予約フォームを追加しました。

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎月、座・高円寺で演劇講座を開催しております。10月の「思考の種まき講座」は、菅孝行さん、松井憲太郎さんと「日本の公共劇場」について考えます。

日本の公共劇場を考える

講師=菅 孝行・松井憲太郎

[日時]2022年10月30日(日) 16:00~18:00
[会場]座・高円寺 けいこ場(地下3階)
[参加費]一般=500円(会員・学生=無料) *当日清算
[予約フォーム]https://forms.gle/7sStDPRvQGDq569JA
*予約優先。「予約フォーム」または、下記「問合せ」メールアドレスからご予約ください。
(メールの場合、件名に「思考の種まき講座・10月」とご記入の上、お名前・人数・日中のご連絡先TELを明記してください。)*当日は、感染症予防対策にご協力ください。内容等変更がある場合は、AICTのホームページでお知らせしますので、ご確認をお願いいたします。
[主催]国際演劇評論家協会(AICT)日本センター
[協力]NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【報告の趣旨】
傑出した舞台が興行的に成功することは稀である。それゆえ、興行の成果では測れない芸術価値のための公共劇場の設立や人材育成が、政府・自治体の政策課題とされなければならない。しかし、この国の公共劇場や人材育成制度の内実はまだ極めて貧しい。
そこには、後進国として出発した近代日本が、偏狭で功利主義的な「文明」を重視し、近代芸術はむしろ権力と対抗的に形成発展を遂げるしかなかったという事情が反映している。特に戦前の新劇運動は反権力的な性格ゆえに弾圧の対象となった。その傾向が敗戦後も形を変えて継承され、ある時期まで演劇人の多くは公共劇場、事業・人材・集団などの育成を国家・自治体に要求する権利の重要性を自覚できなかった。そして、制度政策策定の機運が生まれた八〇年代以降、演劇人は、その機運に、自らの主張と要求を反映させる規定力を発揮できず、政府や自治体に受け身で保護や助成を求めることに奔走してきた。芸術文化振興基本法、劇場法(劇場・音楽堂等の活性化に関する法律)などの法整備が進んでも、公共劇場や助成制度の実態はむしろ後退しているように見受けられる。
そこで、新国立劇場の成立過程で顕在化した問題を中心に、①公共劇場とは何か、②芸術監督の役割、③公立劇場になぜ劇団・養成機関が付設されなければならないか、④そうした指標に照らして、現状をどう認識すべきか、⑤近未来への展望などについて報告し、今後の議論の素材の一つとしたいと思う。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【講師プロフィール】
◎菅 孝行(かん・たかゆき)

1939年生まれ、劇作家・評論家。戯曲集に『ヴァカンス/ブルースをうたえ』『いえろうあんちごうね』。戯曲『はんらん狂騒曲』、劇映画シナリオ『北村透谷 わが冬の歌』。演劇関係の著作に『解体する演劇(正・続)』『戦後演劇』『想像力の社会史』「資料 新国立劇場 上・下」(『演劇人』1号/『演劇人』3号)『戦う演劇人』『佐野碩 人と仕事(編著)』『演劇で世界を変える 鈴木忠志論』など。

◎松井憲太郎(まつい・けんたろう)

演劇制作・評論。1981~96年、劇団黒テントに在籍。90年より世田谷文化生活情報センターの世田谷パブリックシアター部門の計画づくりに関わる。同劇場が開場した97年から2007年度までプログラム・ディレクターなどを務め、公演や学芸事業を統括した。2010年から21年度まで、富士見市民文化会館キラリふじみの館長を務めた。 世田谷パブリックシアター以来、東南アジアを中心に海外と日本の演劇人・舞踊家のコラボレーション作品を数多く制作した。

第27回シアターアーツ賞原稿募集

国際演劇評論家協会(AICT)日本センターは、演劇批評に新しい地平を拓く気鋭のために「シアターアーツ賞」を設け、新進による未発表の演劇・ダンス評論応募作より特に優秀と認められる作品を顕彰しています。

第27回シアターアーツ賞の原稿を募集しております。年齢や経歴などの応募資格は特に定めておりません。舞台芸術を批評の対象とした未発表の原稿をお送りください。受賞作品は『シアターアーツ』67号(2023年春)に掲載され、大賞受賞者には賞金5 万円が贈られます。奮ってご応募ください。

第27回シアターアーツ賞

  • 対象=舞台芸術(演劇・ダンス・オペラ・ミュージカル等)についての批評、論文。期日までに本誌に投稿された論文も含む。ただし、未発表のものに限る。
  • 書式= 16,000 字以内。原稿はA4 横書きのWord ファイル、もしくはpdfファイルを以下の宛先まで添付にて送信してください。その際、別紙に氏名・住所・年齢・電話番号・職業(所属)・メールアドレスと略歴を記すこと。原稿本文中には筆者の名前を記さないこと。
  • 宛先 aict.ta.prize@gmail.com
  • 締切 2023 年1 月10 日23 時59 分まで。

【付記】選考に関するお問い合わせには、一切応じられません。
当選作の初出掲載権は、AICT(国際演劇評論家協会)日本センターに属するものとします。

過去の受賞作はこちらのページをご覧ください。

舞台評論家たちによるユネスコ傘下の国際組織の日本支部です。